第114回 看護師国家試験 午後 問86 解説
📝 問題
介護保険法で定める特定疾病はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・3
💡 解説
✅ 介護保険法の特定疾病には、脊髄小脳変性症と閉塞性動脈硬化症が含まれる。
介護保険の被保険者は2つに分かれる。
・65歳以上の第1号被保険者…原因を問わず、要介護状態になれば給付を受けられる ・40〜64歳の第2号被保険者…特定疾病が原因で要介護状態になった場合に限られる
特定疾病は16疾病が定められている。加齢との関わりが深く、心身に著しい障害を生じて要介護状態になり得る病気が選ばれている。逆にいえば、加齢と結びつきにくい病気や、別の制度で支援される病気は含まれない。
- 1
ウイルス肝炎〈viral hepatitis〉不正解
特定疾病ではない。慢性肝炎や肝硬変は肝炎ウイルスの持続感染が原因で、加齢に特有の病気ではないためである。肝炎には医療費助成など別の支援制度がある。
- 2
脊髄小脳変性症〈spinocerebellar degeneration〉正解
特定疾病の一つである。小脳や脳幹、脊髄が変性して、ふらつき・構音障害・嚥下障害が進む神経の難病で、指定難病でもある。
- 3
閉塞性動脈硬化症〈ASO〉〈arteriosclerosis obliterans〉正解
これも特定疾病である。下肢の動脈が動脈硬化で狭くなり、間欠性跛行から安静時痛、潰瘍・壊疽へと進む。歩行障害から要介護状態に至り得る。
- 4
メタボリックシンドローム〈metabolic syndrome〉不正解
特定疾病ではない。内臓脂肪の蓄積に複数のリスクが重なった「状態」を指す概念であり、それ自体が直ちに要介護状態をもたらす病気とはされていない。
- 5
後天性免疫不全症候群〈AIDS〉〈acquired immunodeficiency syndrome〉不正解
特定疾病ではない。ヒト免疫不全ウイルス感染症は、身体障害者手帳(免疫機能障害)や自立支援医療など別の制度で支援される。加齢に伴って生じる病気ではないためである。
📚 国試でよく狙われるところ
16疾病は、がん(末期)・神経の難病・骨関節・血管と代謝、と分けて覚えると整理しやすい。「がん」は末期のものだけが含まれる点が狙われる。
| 区分 | 疾病 |
|---|---|
| がん | がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの=末期) |
| 神経・筋 | 筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・パーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)、初老期における認知症 |
| 骨・関節 | 後縦靱帯骨化症、骨折を伴う骨粗鬆症、脊柱管狭窄症、両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症、関節リウマチ |
| 血管・代謝 | 脳血管疾患、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症 |
| 呼吸器・その他 | 慢性閉塞性肺疾患、早老症 |
第2号被保険者(40〜64歳)は、これらが原因で要介護状態になった場合に給付を受けられる。
参考: 介護保険法施行令 第2条(特定疾病)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について