第114回 看護師国家試験 午後 問73 解説
📝 問題
医療安全について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 医療過誤とは、医療事故のうち医療機関や医療従事者に過失があるものをいう。
医療事故は、医療の場で起きた人身事故のすべてを指し、過失があるかどうかは問わない。針刺し事故のように、医療従事者が被害者になる場合も含まれる。
このうち、医療機関や医療従事者の過失によって起きたものが医療過誤である。つまり医療過誤は医療事故の一部にあたる。
報告は責任を追及するためではなく、再発を防ぐために行う。だから、患者に実害が及ばなかった事例(インシデント、ヒヤリ・ハット)も速やかに報告する。
- 1
患者から暴力を受けたと報告した医療従事者に暴力発生の責任を問う。不正解
暴力を受けた職員に発生の責任を問うのは二次被害である。報告した人が責められる職場では被害が表に出なくなるため、暴力は個人ではなく組織として対応する。
- 2
与薬前に薬物の間違いに気づけばインシデントレポートは不要である。不正解
患者に実施される前に気づいた事例こそ報告する。「なぜ気づけたか」が次の事故を防ぐ手がかりになる。
- 3
医療過誤とは医療事故の発生原因に医療機関、医療従事者の過失がある場合をいう。正解
医療事故は過失の有無を問わず医療の過程で起きた人身事故全般を指し、そのうち過失によるものが医療過誤である。病気の自然な経過による有害な結果は医療過誤には当たらない。
- 4
インシデントを起こした医療従事者は気持ちが落ち着いた数日後にレポートを提出する。不正解
レポートはできるだけ速やかに提出する。時間がたつと記憶があいまいになり、同じ誤りが繰り返される危険も続く。
📚 国試でよく狙われるところ
個人の注意力に頼らず、しくみで誤りを防ぐという考え方が土台になる。
- ハインリッヒの法則=1件の重大事故の裏に29件の軽い事故と300件のヒヤリ・ハットがある
- スイスチーズモデル=いくつもの防御の穴が偶然一直線に並んだときに事故が起こる。防御を重ねることが対策になる
- フェイルセーフ=誤っても安全な側に働くしくみ。フールプルーフ=そもそも誤った操作ができないしくみ(接続部の形を変えて誤接続を防ぐなど)
- 医療事故調査制度=医療に起因する予期しない死亡が起きたとき、管理者は医療事故調査・支援センターへ報告し、院内で調査を行う
参考: 医療法(医療事故調査制度)/厚生労働省「医療安全推進総合対策」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について