第114回 看護師国家試験 午後 問7 解説
📝 問題
妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 先天性風疹症候群で最も多い症状は難聴である。
妊婦が妊娠初期(とくに妊娠12週まで)に風疹にかかると、ウイルスが胎盤を通って胎児に感染し、先天性風疹症候群を起こす。三徴は難聴・白内障・先天性心疾患で、なかでも難聴が最も多い。
風疹そのものは発疹・発熱・リンパ節の腫れですむ軽い病気だが、おなかの赤ちゃんには重大である。妊娠中はワクチンを打てないため、周りの人が免疫をもって妊婦を守る考え方が大切になる。
- 1
水痘(varicella)不正解
妊娠20週までの感染で先天性水痘症候群(皮膚の瘢痕、四肢の低形成、眼の症状)を起こすことがあるが、難聴を主な症状とはしない。
- 2
風疹(rubella)正解
正しい。先天性風疹症候群の三徴のうち、最も多いのが難聴である。
- 3
麻疹(measles)不正解
妊婦がかかると肺炎などで重くなり、流産・早産・死産のリスクが上がるが、児に難聴を残す代表的な病気ではない。
- 4
流行性耳下腺炎(mumps)不正解
かかった本人に片側の高度難聴(ムンプス難聴)を起こすことで知られるが、胎内感染で児に難聴を残す病気ではない。
📚 一緒に確認しよう
風疹抗体検査は妊婦健診の初期検査に入っている。抗体が足りない人には産後の接種をすすめる。
- 抗体価が32倍未満(赤血球凝集抑制法)なら免疫が不十分とされる
- 麻疹風疹混合ワクチンは生ワクチンで妊娠中は接種できず、接種後2か月は避妊する
| 病原体 | 児への主な影響 |
|---|---|
| トキソプラズマ | 水頭症、脳内石灰化、網脈絡膜炎 |
| 梅毒トレポネーマ | 流産・死産、Hutchinson三徴 |
| 風疹ウイルス | 難聴、白内障、先天性心疾患 |
| サイトメガロウイルス | 難聴、小頭症、脳内石灰化 |
| 単純ヘルペスウイルス | 産道感染による新生児ヘルペス |
参考: 国立感染症研究所「先天性風疹症候群」/産婦人科診療ガイドライン産科編
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について