第114回 看護師国家試験 午後 問19 解説
📝 問題
長期臥床している患者の仰臥位時のポジショニングを図に示す。 Aの位置にクッションを挿入する目的はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 足底に当てるクッションは尖足を防ぐためのもの。
図のAは、ベッドの足元で足底に当たるように置かれたクッションである。
長く寝たままでいると、掛け物の重みとふくらはぎの筋肉の縮みで足首が伸びたまま固まり、つま先が下がった尖足になる。いったん固まると立つことも歩くことも難しくなり、元に戻すのは困難である。
防ぐには、足底をクッションやフットボードで支えて足首を0度(背屈中間位)に保ち、足首の他動運動やクレイドル(掛け物の重みを避ける用具)を組み合わせる。
- 1
褥瘡の予防不正解
仰臥位で褥瘡ができやすいのは仙骨部・踵部・後頭部・肩甲骨部。踵の除圧はかかとを浮かせて下腿全体で体重を分散させる方法で、足底のクッションの目的ではない。
- 2
尖足の予防正解
正しい。足底を支えて足首を背屈中間位に保ち、伸びたまま固まるのを防ぐ。
- 3
腓骨神経麻痺の予防不正解
腓骨神経麻痺は膝の外側やや下にある腓骨頭が圧迫されて起こる。下肢の外旋を防いで腓骨頭の圧迫を避けるのが予防で、足底のクッションでは防げない。
- 4
深部静脈血栓症の予防(deep vein thrombosis)不正解
深部静脈血栓症の予防は弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法、足首の底背屈運動、十分な水分摂取、早期離床である。足底のクッションでは静脈の流れは改善しない。
📚 これとセットで理解しよう
尖足は一度できると治りにくい。起きてから対応するのではなく、寝たきりになったその日から予防を始める。
- 良肢位の目安は肩関節外転10〜30度、肘関節屈曲90度、股関節屈曲10〜30度、膝関節屈曲10度、足関節0度
| 合併症 | 主な予防 |
|---|---|
| 尖足(足関節の底屈位拘縮) | 足底の支持、足関節の他動運動、クレイドルの使用 |
| 褥瘡 | 体位変換、体圧分散寝具、スキンケア、栄養管理 |
| 深部静脈血栓症 | 弾性ストッキング、間欠的空気圧迫、足関節運動、早期離床 |
| 腓骨神経麻痺 | 下肢の外旋防止、腓骨頭の除圧 |
| 関節拘縮 | 良肢位の保持、関節可動域訓練 |
| 起立性低血圧 | 段階的な頭側挙上、離床の進行 |
参考: 系統看護学講座 基礎看護技術
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について