第114回 看護師国家試験 午前 問7 解説
📝 問題
胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 胎盤から胎児へ向かう臍静脈の血液が、胎児循環で最も酸素を多く含む。
胎児は肺で呼吸をしておらず、ガス交換はすべて胎盤で行う。胎盤で酸素を受け取った血液は臍静脈(1本)を通って胎児へ戻るので、ここが胎児循環でいちばん酸素が多い(酸素飽和度は約80%)。
「静脈なのに酸素が多い」のが紛らわしいが、動脈・静脈は血液の中身ではなく、心臓から出るか心臓へ向かうかで決まる名前だと理解すればよい。
酸素の多い血液は3つの近道(短絡)を通り、脳と上半身へ優先的に送られる。
- 1
臍静脈正解
正しい。胎盤から胎児へ酸素を運ぶ1本の血管で、酸素飽和度は約80%と胎児循環中で最も高い。
- 2
臍動脈不正解
臍動脈は胎児から胎盤へ向かう2本の血管。二酸化炭素と老廃物を多く含む。
- 3
肺静脈不正解
胎児は肺で呼吸していないため肺の血流はごくわずかで、肺静脈の酸素は臍静脈より少ない。
- 4
肺動脈不正解
肺動脈は右心室から出る静脈血。その大部分は肺へ行かず動脈管を通って大動脈へ流れる。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
3つの短絡は「肺と肝臓を通らずに済ませる近道」。生まれて肺が広がると不要になり、順に閉じていく。
- 第一呼吸で肺が広がると肺の血管抵抗が下がり、卵円孔が働きのうえで閉じる。
- 動脈管は生後1〜2日で機能的に閉鎖し、数週〜数か月で完全に閉じる。閉じ残ると動脈管開存症。
| 短絡路 | つなぐ場所 | 出生後の遺残 |
|---|---|---|
| 静脈管(アランチウス管) | 臍静脈 → 下大静脈 | 静脈管索 |
| 卵円孔 | 右心房 → 左心房 | 卵円窩 |
| 動脈管(ボタロー管) | 肺動脈 → 大動脈 | 動脈管索 |
| 臍静脈 | 胎盤 → 胎児 | 肝円索 |
| 臍動脈 | 胎児 → 胎盤 | 臍動脈索 |
参考: 日本小児循環器学会「小児期心疾患ガイドライン」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について