第113回 看護師国家試験 午後 問76 解説
📝 問題
直腸の構造で正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 直腸の陰窩には杯細胞が存在する。
大腸・直腸の粘膜には腸陰窩(クリプト)があり、粘液を分泌する杯細胞が多数存在する。粘液は便の通過を滑らかにする。
他は小腸や結腸の特徴と取り違えている。絨毛は小腸、結腸ヒモは結腸の構造で、どちらも直腸にはない。肛門管は静脈叢が豊富で、内腔は括約筋に囲まれて狭い。
陰窩とは
腸の粘膜にある細かいくぼみ。新しい細胞や粘液はここから作られる。
杯細胞とは
粘液を出す細胞。杯(コップ)のような形からこの名がある。
- 1
陰窩には杯細胞が存在する。正解
大腸・直腸の腸陰窩には粘液を分泌する杯細胞が多数存在する。
- 2
粘膜の表面には絨毛がある。不正解
絨毛は栄養吸収を担う小腸の構造で、直腸の粘膜表面には絨毛はない。
- 3
縦走筋は結腸ヒモを作る。不正解
結腸ヒモは結腸の特徴であり、直腸では縦走筋が全周性に広がり結腸ヒモを作らない。
- 4
肛門管は血管が少ない。不正解
肛門管には静脈叢が豊富にあり、痔核の好発部位で血管は少なくない。
- 5
肛門管は内腔が広い。不正解
肛門管は内腔が狭く、括約筋で閉じられており内腔が広いわけではない。
📚 一緒に確認しよう
直腸・肛門管は、歯状線を境にした痛みの違いと、便意が起こる仕組みが繰り返し問われる。
- 歯状線より口側の粘膜には痛覚がなく、そこにできる内痔核は痛みが乏しい。肛門側の外痔核は強い痛みを伴う
- 便がたまって直腸の壁が伸びると排便反射(骨盤内臓神経・仙髄S2〜4)が起こり、内肛門括約筋がゆるんで便意が生じる
- 大腸の主な働きは水分・電解質の吸収と便の形成。栄養素の消化・吸収は小腸が担う
| 内肛門括約筋 | 外肛門括約筋 | |
|---|---|---|
| 筋の種類 | 平滑筋 | 横紋筋 |
| 支配 | 自律神経(不随意) | 陰部神経(随意) |
| 役割 | 安静時の閉鎖を保つ。直腸の伸展で反射的に弛緩する | 意識的に締めて排便を我慢する |
参考: 消化管の組織学(大腸・直腸・肛門管)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について