第113回 看護師国家試験 午後 問74 解説
📝 問題
止血後の線維素溶解(線溶)に関係するのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 線維素溶解(線溶)に関係するのはプラスミノゲンである。
止血のあと、役目を終えた血栓(フィブリン)を溶かして血管の通りを戻す働きを線維素溶解〈線溶〉という。この主役がプラスミノゲンで、活性化されてプラスミンに変わり、フィブリンを分解する。
他の4つは血を固める側か、別の働きをもつ。カルシウムイオンは凝固第Ⅳ因子、フィブリノゲンはフィブリンの前駆体、プロトロンビンはトロンビンの前駆体である。セロトニンは血小板から放出されて血管を収縮させる。
前駆体とは
まだ働いていない一歩手前の形のこと。必要になったときに変化して、はたらく形になる(プロトロンビン→トロンビンなど)。
フィブリンとは
血を固める糸のようなタンパク。血小板でふさいだところを網のように包み込み、しっかりした血栓に仕上げる。
- 1
カルシウムイオン不正解
カルシウムイオンは凝固第Ⅳ因子として血液凝固に関与する。
- 2
フィブリノゲン不正解
フィブリノゲンは凝固でフィブリンになる前駆体であり、凝固側の因子である。
- 3
プラスミノゲン正解
プラスミノゲンは活性化されてプラスミンとなり、フィブリンを分解して線溶を担う。
- 4
プロトロンビン不正解
プロトロンビンはトロンビンの前駆体で、血液凝固に関与する。
- 5
セロトニン不正解
セロトニンは血小板から放出され血管収縮に関与するが、線溶には関係しない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
止血は「血小板でふさぐ→フィブリンで固める→用が済んだら溶かす」の3段階で進む。どの段階の話かを分けて覚える。
- 一次止血=血小板による血小板血栓、二次止血=フィブリンによる強固な血栓
- ビタミンK依存性凝固因子は第Ⅱ(プロトロンビン)・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ因子。ワルファリンはこの働きを妨げる薬
- 脳梗塞や心筋梗塞で使う血栓溶解薬(t-PA)は、プラスミノゲンをプラスミンに変えて血栓を溶かす
| 検査 | 反映するもの |
|---|---|
| 血小板数 | 一次止血(血小板血栓)。DIC・免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)で低下 |
| PT(プロトロンビン時間)・PT-INR | 外因系。ワルファリンの効果判定、肝合成能 |
| APTT | 内因系。ヘパリンの効果判定、血友病で延長 |
| フィブリノゲン | 凝固の材料。DICで低下 |
| FDP・D-ダイマー | 線溶の亢進。DIC・深部静脈血栓症・肺塞栓症で上昇 |
参考: 血液の凝固・線溶系
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について