第113回 看護師国家試験 午後 問60 解説
📝 問題
順調に分娩が進行している妊娠40週0日の初産婦から「腟から水っぽいものが流れ、下着が濡れた」とナースコールがあった。看護師が流出したものを確認すると、量は少量で、羊水特有の臭いを認めた。このときの産婦への対応で優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 破水が疑われるときは、胎児心拍数の確認を最優先する。
妊娠40週0日の初産婦で、少量の水っぽい流出物に羊水特有の臭いがあることから破水が疑われる。破水して羊水が流れ出ると、臍帯脱出や臍帯の圧迫が起こりうる。まず胎児心拍数を確認して、胎児が元気かどうかをみる。
母体のバイタルサイン測定・更衣・食事も無用ではないが、この場面で優先されるのは胎児の安全確認である。あわせて羊水の性状(混濁の有無)や臍帯脱出の有無を観察し、感染予防に努める。
臍帯脱出とは
破水したときに、児より先に臍帯が腟へ出てしまうこと。臍帯が圧迫されて胎児に酸素が届かなくなるため、緊急事態となる。
胎児機能不全とは
おなかの中の児が酸素不足などで元気をなくしている状態。胎児心拍数の変化で気づく。
- 1
バイタルサインを測定する。不正解
母体バイタルの測定も必要だが、破水後にまず優先すべきは胎児の状態評価である。
- 2
胎児心拍数を確認する。正解
破水後は臍帯脱出・圧迫による胎児機能不全のリスクがあり、胎児心拍数の確認が最優先である。
- 3
食事摂取を勧める。不正解
食事摂取より胎児心拍数の確認を優先するため、先に勧める対応ではない。
- 4
更衣を促す。不正解
更衣は必要だが優先度は低く、まず胎児の安全確認を行う。
📚 国試でよく狙われるところ
- 前期破水は陣痛開始前の破水、早期破水は陣痛開始後から子宮口全開大前の破水
- 破水の確認にはBTB試験紙を使う。腟内は酸性で黄色を示し、アルカリ性の羊水が触れると青色に変わる
- 破水後は入浴・シャワーを避け、臍帯脱出が疑われる場合は骨盤高位として直ちに医師へ報告する
- 羊水混濁(緑色)は胎便混入を示す。胎児心拍数を確認し、胎便吸引症候群に注意する
- 破水から時間が経つと絨毛膜羊膜炎のリスクが高まるため、体温・脈拍、羊水の悪臭、血液検査のCRPを確認する
参考: 破水時の観察と対応(胎児well-beingの評価)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について