第113回 看護師国家試験 午後 問52 解説
📝 問題
高齢者のサルコペニアの予防に関する指導内容で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ サルコペニアの予防には、筋肉に負荷をかける運動が適切である。
高齢者のサルコペニアは、加齢によって骨格筋量が減り、筋力か身体機能のどちらかまで落ちた状態である。予防で大切なのは、筋肉を減らさないことである。
方法は2つ。筋肉に負荷をかけるレジスタンス運動と、十分なたんぱく質をとることである。低栄養のままでは、運動をしても筋肉は増えにくい。
レジスタンス運動とは
重りやゴムバンド、自分の体重を使って筋肉に負荷をかける運動。スクワットや立ち座りの練習が代表。
- 1
読書をする。不正解
読書は認知的活動で、筋肉への負荷がなくサルコペニア予防の運動とはならない。
- 2
飲酒をやめる。不正解
飲酒制限は健康上意味があるが、サルコペニア予防の直接的な指導の柱ではない。
- 3
塩分を制限する。不正解
塩分制限は高血圧対策であり、サルコペニア予防の主眼ではない。
- 4
筋肉に負荷をかける運動をする。正解
筋肉に負荷をかけるレジスタンス運動は筋量・筋力の維持に有効でサルコペニア予防の中心である。
📚 混同しやすいので注意
- 握力が男性28kg未満・女性18kg未満、歩く速さが1.0m/秒未満だと、筋力・身体機能の低下を疑う
- 簡単なふるい分けには指輪っかテスト(ふくらはぎを両手の指で囲み、すき間ができると筋肉量の低下を疑う)や、質問票のSARC-Fを使う
- 腎機能に問題がなければ高齢者のたんぱく質摂取は1.0g/kg体重/日以上が望ましい
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| フレイル | 加齢により予備能力が低下し要介護に至る前の状態。身体・精神心理・社会的側面を含み可逆的 |
| サルコペニア | 骨格筋量の低下に、筋力または身体機能の低下を伴う状態 |
| ロコモティブシンドローム | 運動器(骨・関節・筋・神経)の障害により移動機能が低下した状態 |
| 廃用症候群 | 安静や不活動が続くことで生じる二次的な心身機能の低下 |
参考: サルコペニア予防(運動・栄養)の基本
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について