第113回 看護師国家試験 午後 問14 解説
📝 問題
器質的変化で嚥下障害が出現する疾患はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 器質的変化で嚥下障害を起こすのは食道癌である。
嚥下障害には、食道や咽頭の形態的な狭窄・腫瘍などによる器質的(構造的)なものと、神経・筋の機能低下による機能的なものがある。食道癌は腫瘍が食道内腔を狭くする器質的変化で嚥下障害を来す。
脳血管疾患・筋強直性ジストロフィー・ギラン・バレー症候群はいずれも嚥下に関わる神経や筋の障害による機能的嚥下障害であり、食道の腫瘍や狭窄によるものではない。「器質的=腫瘍・狭窄などの構造の異常」「機能的=神経・筋の働きの異常」という切り分けで選別すると解きやすい。
- 1
食道癌正解
食道癌は腫瘍による内腔狭窄という器質的変化で嚥下障害を起こす。
- 2
脳血管疾患不正解
脳血管疾患は嚥下に関わる神経の障害による機能的嚥下障害である。
- 3
筋強直性ジストロフィー不正解
筋強直性ジストロフィーは筋の機能障害による機能的嚥下障害である。
- 4
Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群不正解
ギラン・バレー症候群は末梢神経障害による機能的嚥下障害である。
📚 ここも一緒におさえておこう
摂食嚥下の各期と、誤嚥の見つけ方・評価方法を確認する。
- 誤嚥のリスクが最も高いのは咽頭期の障害である
- 不顕性誤嚥(むせのない誤嚥)は高齢者や脳血管疾患後に多く、発熱や痰の増加で気づかれる
- 嚥下機能の評価には反復唾液嚥下テスト(RSST)や改訂水飲みテスト、嚥下造影・嚥下内視鏡がある
| 期 | 内容 |
|---|---|
| ①先行期(認知期) | 食物を認識し、食べ方や量を判断する |
| ②準備期 | 咀嚼して食塊を形成する |
| ③口腔期 | 舌で食塊を咽頭へ送り込む |
| ④咽頭期 | 嚥下反射により食道へ送る(喉頭挙上・鼻咽腔と喉頭が閉鎖) |
| ⑤食道期 | 蠕動運動で胃へ運ぶ |
参考: 標準的な嚥下障害の分類(器質的・機能的)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について