第113回 看護師国家試験 午前 問3 解説
📝 問題
食品を扱う人の化膿した創が汚染源となる食中毒の原因菌はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 食品を扱う人の化膿した創が汚染源となる食中毒の原因菌は黄色ブドウ球菌である。
黄色ブドウ球菌はヒトの皮膚・鼻腔・化膿巣(傷の膿)に常在し、手指の化膿創から食品を汚染する。菌が食品中で増殖する際に産生する毒素(エンテロトキシン)は耐熱性で加熱では失活せず、潜伏期1〜6時間と短く悪心・嘔吐が主症状となる。
黄色ブドウ球菌は「手指の傷・毒素型・耐熱性毒素・短い潜伏期」がキーワードである。
- 1
腸炎ビブリオ不正解
腸炎ビブリオは海水由来で、生鮮魚介類が原因となる感染型食中毒菌である。
- 2
ボツリヌス菌不正解
ボツリヌス菌は嫌気性で缶詰・いずし等が原因となり、神経毒による麻痺を起こす。
- 3
黄色ブドウ球菌正解
化膿創に常在し、耐熱性のエンテロトキシンにより毒素型食中毒を起こす。
- 4
サルモネラ属菌不正解
サルモネラ属菌は鶏卵・食肉が原因の感染型食中毒菌である。
📚 混同しやすいので注意
細菌性食中毒は、菌そのものが腸管で増える感染型と、食品中で産生された毒素による毒素型に分けられる。毒素型は潜伏期が短いのが特徴。
| 原因菌 | 主な原因食品 | 潜伏期 | 型・特徴 |
|---|---|---|---|
| 黄色ブドウ球菌 | 手指の化膿創で汚染された握り飯・弁当 | 1〜6時間 | 毒素型/エンテロトキシンは耐熱性 |
| 腸炎ビブリオ | 生鮮魚介類 | 8〜24時間 | 感染型/好塩菌・真水と加熱に弱い |
| サルモネラ属菌 | 鶏卵・食肉 | 6〜72時間 | 感染型/発熱を伴う |
| カンピロバクター | 鶏肉(加熱不足) | 2〜7日 | 感染型/Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群を続発しうる |
| 腸管出血性大腸菌 | 牛肉・生野菜 | 3〜5日 | ベロ毒素/溶血性尿毒症症候群(HUS) |
| ボツリヌス菌 | いずし・自家製瓶詰・真空パック | 8〜36時間 | 毒素型/神経毒だが毒素は易熱性 |
乳児ボツリヌス症予防のため、1歳未満にはちみつを与えない。
参考: 標準的な食品衛生学・食中毒の分類
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について