第113回 看護師国家試験 午前 問115 解説

状況設定在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み115〜117の問いに答えよ。 Aさん(87歳、女性、要介護1)は1人暮らしで、長女(52歳、会社員)が同じマンションの隣の部屋に住んでいる。5年前に乳癌のため左乳房切除術を受けた。1年前に肺への転移が確認され、胸水の貯留への対症療法のため入退院を繰り返していた。退院後は、状態観察と体調管理のため大学病院の外来を月に2回受診し、訪問介護と訪問看護を週に1回ずつ利用して在宅療養を続け「これ以上の積極的な治療はせずに自宅で最期まで過ごしたい」と話している。 ある日、長女から「最近、母は通院がつらそうで、先月は1回しか受診していません。医師の診察は大事だと思うので、受診を続けるために主治医に何を相談すればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。 長女への助言で適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 長女への助言として適切なのは在宅療養支援診療所の利用である。

Aさんは終末期で「自宅で最期まで過ごしたい」と希望しているが、通院がつらく受診回数が減っている。在宅療養支援診療所は、医師が計画的な訪問診療や24時間対応で在宅療養を支える診療所で、これを利用すれば通院せずに自宅で医師の診察を受けられる。通院負担を解消しつつ在宅での医学管理を継続できる。

本人の『自宅で過ごしたい』という意向を尊重する視点が重要である。在宅医療資源の活用を助言する。

  • 1

    緩和ケア病棟への入院不正解

    緩和ケア病棟への入院は「自宅で最期まで過ごしたい」というAさんの意向に反し、適切な助言ではない。

  • 2

    在宅療養支援診療所の利用正解

    在宅療養支援診療所を利用すれば訪問診療により通院せず自宅で医師の診察を受けられ、通院負担を解消できる。

  • 3

    医師の診察を月1回に減らすこと不正解

    診察回数を月1回に減らしても医学的管理の必要性は変わらず、通院のつらさの根本的な解決にならない。

  • 4

    通所リハビリテーションを利用すること不正解

    通所リハビリテーションは通院負担の軽減にはつながらず、この相談の目的とも合致しない。

📚 これとセットで理解しよう

在宅での看取りは、使える制度と、家族が困らないための備えが両輪になる。

  • 末期の悪性腫瘍は厚生労働大臣が定める疾病等に該当し、要介護認定があっても訪問看護は医療保険から給付される。
  • 看取りを見据え、急変時の対応や希望する療養場所についてアドバンス・ケア・プランニング(ACP〈エーシーピー〉)として家族と共有しておく。
  • 在宅での急変・死亡時に慌てないよう、連絡先と手順を文書で渡しておくことが家族の安心につながる。
在宅療養を支える主な資源
資源内容
在宅療養支援診療所・病院24時間の往診・訪問看護の連絡体制を確保し、緊急時の入院先も確保している届出医療機関
訪問診療計画的・定期的に医師が自宅を訪問して診療する(往診は求めに応じた臨時の訪問)
訪問看護主治医の訪問看護指示書に基づき提供。末期の悪性腫瘍では医療保険が適用され回数制限がない
訪問薬剤管理指導・訪問歯科診療薬剤師・歯科医師による在宅での管理
介護保険サービス訪問介護、訪問入浴、福祉用具貸与、短期入所など

参考: 在宅療養支援診療所・在宅医療の制度に関する標準的看護

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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