第112回 看護師国家試験 午後 問86 解説
📝 問題
高齢者の睡眠で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
4・5
💡 解説
✅ 高齢者の睡眠では、中途覚醒の回数が増加し、入眠までに時間がかかるようになる。
加齢に伴い睡眠は浅く分断されやすくなる。深いノンレム睡眠(徐波睡眠)が減少して浅い眠りが増え、夜間の中途覚醒の回数が増加し、入眠までに時間がかかる(入眠潜時の延長)ようになる。 高齢者は早寝早起きの傾向(睡眠位相の前進)も特徴である。
他の選択肢は逆の記述で誤り。加齢では昼寝が増えるなど睡眠は単相性ではなく多相性になりやすい。深い眠りが減り、浅い眠りはむしろ増える。夜間の総睡眠時間は延長ではなく短縮する傾向にある。
国試では、この変化の向きをそのまま逆にした記述が誤答として並ぶ。『高齢になると眠りが浅く、途切れやすくなる』という一方向だけ覚えておけば判断できる。
多相性とは
1日に何回かに分けて眠る型のこと。昼寝が増える高齢者はこの型に近づく。まとめて1回で眠るのが単相性。
徐波睡眠とは
いちばん深いノンレム睡眠のこと。脳を休ませる眠りで、加齢とともに減っていく。
- 1
単相性の睡眠になる。不正解
加齢では昼寝が増えるなど睡眠は単相性ではなく多相性になりやすい。
- 2
浅い眠りが少なくなる。不正解
高齢者では深い眠りが減り浅い眠りはむしろ増える。少なくなるのは誤りである。
- 3
総睡眠時間が延長する。不正解
夜間の総睡眠時間は延長ではなく短縮する傾向にある。
- 4
中途覚醒の回数が増加する。正解
高齢者では睡眠が浅く分断されやすく、中途覚醒の回数が増加する。
- 5
入眠までに時間がかかる。正解
高齢者では入眠潜時が延長し、入眠までに時間がかかるようになる。
📚 ここも一緒におさえておこう
高齢者の睡眠は「浅く・短く・途切れやすく・前倒し」の4語で覚えると、向きを逆にした選択肢をその場で外せる。眠れないときの対応もあわせて問われる。
- 不眠にはまず睡眠衛生指導。起床時刻を一定にし、日中に光を浴びて活動量を確保し、就寝前のカフェイン・アルコール・喫煙を避ける。
- ベンゾジアゼピン系睡眠薬は転倒・骨折・せん妄のリスクを高めるため、高齢者では慎重に用いる。
| 項目 | 加齢による変化 |
|---|---|
| 総睡眠時間 | 短縮する |
| 入眠潜時 | 延長する |
| 中途覚醒 | 増加する |
| 深いノンレム睡眠(徐波睡眠) | 減少する |
| 浅いノンレム睡眠 | 増加する |
| 睡眠相 | 前進する(早寝早起きになる) |
| 睡眠の型 | 多相性になる(昼寝が増える) |
参考: 老年看護学(加齢に伴う睡眠の変化)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について