第112回 看護師国家試験 午後 問59 解説

一般母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

閉経について正しいのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 閉経すると腟の自浄作用が低下する。

閉経に伴いエストロゲンの分泌が低下すると、腟粘膜が萎縮しグリコーゲンが減少する。これにより腟内を酸性に保つデーデルライン桿菌(乳酸桿菌)の働きが弱まり、腟の自浄作用が低下する。その結果、腟炎などの感染を起こしやすくなる。

他の選択肢の誤りを整理しておく。閉経後は卵巣機能の低下によりエストロゲン分泌はむしろ減少するため、「増加する」は誤りである。日本人女性の閉経の平均年齢は約50歳前後であり、55歳ではない。閉経は「12か月(1年間)以上の連続した無月経」で診断されるもので、「10か月」は誤りである。

グリコーゲンとは

ブドウ糖がつながって蓄えられた形。腟では乳酸桿菌がこれを分解して乳酸をつくり、腟内を酸性に保っている。

  • 1

    閉経すると腟の自浄作用が低下する。正解

    閉経によるエストロゲン低下で腟粘膜が萎縮し、乳酸桿菌が減って自浄作用が低下する。

  • 2

    閉経後はエストロゲン分泌が増加する。不正解

    閉経後は卵巣機能低下によりエストロゲン分泌はむしろ減少する。

  • 3

    日本人の閉経の平均年齢は55歳である。不正解

    日本人女性の閉経の平均年齢は約50歳前後であり、55歳ではない。

  • 4

    10か月の連続した無月経の確認で診断される。不正解

    閉経は12か月以上の連続した無月経で診断され、10か月ではない。

📚 混同しやすいので注意

閉経と更年期は指すものが違う。閉経は月経が終わったその1点、更年期はその前後の期間。無月経が何か月続いたら閉経か、平均は何歳かという数字も、この区別とセットで覚えよう。

  • 閉経は12か月以上の連続した無月経を確認して診断する。日本人女性の平均は約50歳で、更年期は閉経前後の約10年間(45〜55歳ころ)を指す。
  • 閉経後は卵巣機能の低下でエストロゲンが低下し、フィードバックにより卵胞刺激ホルモン(FSH)・黄体形成ホルモン(LH)は上昇する。
  • エストロゲン低下による変化=骨粗鬆症、LDLコレステロールの上昇(脂質異常症)、腟の萎縮・自浄作用の低下、ホットフラッシュ・発汗・不眠・抑うつなどの更年期症状。
  • 閉経の評価には簡略更年期指数(SMI)などが用いられ、治療にはホルモン補充療法(HRT)や漢方療法がある。

参考: 母性看護学(閉経とエストロゲン低下による変化)

出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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