第112回 看護師国家試験 午後 問56 解説
📝 問題
乳歯について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 乳歯は胎児期に石灰化が始まる。
乳歯の歯胚は胎生期に形成され、石灰化(硬組織形成)も胎児期に始まる。出生後しばらくして生後6〜8か月ころから乳歯が生え始める。 「胎児期に石灰化が始まる」が正しい。
他の選択肢の誤りも押さえておく。乳歯は永久歯に比べてエナメル質・象牙質が薄く石灰化度は低いため、う蝕が進行しやすい。乳歯は生後6〜8か月ころから生え始め、生えそろう(20本)のは2歳半〜3歳ころで、「生後8か月に生えそろう」は誤りである。本数は乳歯20本・永久歯28本(親知らずを含めると32本)で、乳歯と永久歯の本数は同じではない。
石灰化とは
カルシウムなどが沈着して硬くなること。歯では胎児のうちからエナメル質や象牙質が硬くなり始める。
萌出とは
歯が歯ぐきを破って口の中に出てくること。乳歯は下の前歯(下顎乳中切歯)から生え始める。
- 1
永久歯より石灰化度が高い。不正解
乳歯は永久歯よりエナメル質・象牙質が薄く石灰化度は低く、う蝕が進行しやすい。
- 2
生後8か月に生えそろう。不正解
乳歯が生えそろうのは2歳半〜3歳ころで、生後8か月に生えそろうわけではない。
- 3
胎児期に石灰化が始まる。正解
乳歯の石灰化は胎児期に始まり、生後6〜8か月ころから萌出する。
- 4
本数は永久歯と同じである。不正解
乳歯は20本、永久歯は28〜32本で本数は同じではない。
📚 混同しやすいので注意
乳歯で覚える数字は3つ。生え始める時期・生えそろう時期・本数を、永久歯の数字と混ぜないよう下の表で上下に並べて覚えよう。
- 乳歯はエナメル質・象牙質が薄く石灰化度が低いため、う蝕の進行が速い。
- 乳歯の石灰化は胎生4〜6か月ころ(胎児期)に始まるため、母体の栄養状態も影響する。
- う蝕予防=フッ化物歯面塗布・フッ化物配合歯磨剤、保護者による仕上げ磨き、哺乳瓶をくわえたまま寝かせない(哺乳う蝕の予防)。
| 区分 | 萌出開始 | 生えそろう時期 | 本数 |
|---|---|---|---|
| 乳歯 | 生後6〜8か月(下顎乳中切歯から) | 2歳半〜3歳ころ | 20本 |
| 永久歯 | 6歳ころ(第一大臼歯・下顎中切歯から) | 12〜14歳ころ(第三大臼歯を除く) | 28本(第三大臼歯を含めると32本) |
参考: 小児看護学(乳歯の発生と特徴)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について