第112回 看護師国家試験 午後 問36 解説
📝 問題
針刺し事故を防止する方法で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 針専用の廃棄容器は、容量の8割程度に達したら処分するのが適切である。
針刺し事故防止のため、使用済み針は貫通しない専用容器(耐貫通性容器)に直接廃棄する。容器が満杯になるまで使うと針が突出したり、無理に押し込んで刺傷が起こったりするため、容量の8割程度に達したら閉じて処分する。
他の選択肢は目的が異なるか、むしろ危険を高める。手袋の着用は血液曝露の低減にはなるが、針そのものの刺傷を防ぐ主目的ではない。採血部位のアルコール消毒は感染予防(皮膚の清潔)が目的で針刺し防止策ではない。使用済み針にキャップを再装着(リキャップ)する行為は、針刺し事故の代表的な原因であり原則禁止である。
針刺し防止の要点は「リキャップ禁止」「使用直後に手元の専用容器へ廃棄」「容器は満杯前に交換」である。
- 1
採血時に手袋を着用する。不正解
手袋の着用は血液曝露の低減にはなるが、針そのものの刺傷を防ぐ方法ではない。
- 2
採血部位をアルコールで消毒する。不正解
採血部位のアルコール消毒は皮膚の感染予防が目的で、針刺し防止策ではない。
- 3
抜針した採血針はキャップをして破棄する。不正解
使用済み針へのリキャップは針刺し事故の主要因であり原則禁止である。
- 4
針専用の廃棄容器は容量が8割程度に達したら処分する。正解
専用廃棄容器は満杯前(8割程度)に処分することで針の突出や刺傷を防げる。
📚 ここも一緒におさえておこう
針刺しは、防ぎ方だけでなく、刺したあとの動きと日ごろの備えまで問われる。刺したあとは洗う→報告する→血液を確かめる、の順で覚えよう。
- 安全装置付き器材の採用と、リキャップを必要としない運用が最も効果的な対策。
- 針刺しが起きたら、ただちに流水と石けんで洗浄し、必ず所属部署・感染管理部門へ報告する(自己判断で済ませない)。
- 曝露源(針や血液の持ち主である患者)と自分自身の双方について、血液検査で感染症の有無を確かめ、必要ならできるだけ早く予防の薬やワクチンを受ける。
- 医療従事者は就業前にHBVワクチンを接種し、麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺炎の抗体価を確認しておく。
参考: 標準予防策(スタンダードプリコーション)に基づく針刺し防止指針
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について