第112回 看護師国家試験 午後 問20 解説
📝 問題
入浴の援助で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 入浴の援助では、脱衣室と浴室の温度差を小さくすることが正しい。
脱衣室・浴室・湯の温度差が大きいと血圧が急に変動し(ヒートショック)、特に高齢者では心血管系の事故の危険が高まる。 これを防ぐため、脱衣室と浴室の温度差を小さく保つ。
国試では入浴援助の安全・生理学的配慮が問われる。湯温は40℃前後が適切で、45℃のような高温は血圧上昇や皮膚への負担が大きく避ける。 入浴は発汗による脱水を招くため、水分制限ではなく前後の水分補給を勧める。 急に熱い湯に浸かる前にかけ湯などで身体を慣らす配慮が必要で、いきなり浴槽に浸かるよう促すのは適切でない。 誤選択肢はいずれもこれらの安全上の原則に反している。
- 1
入浴前後は水分制限をする。不正解
入浴は発汗で脱水を招くため、水分制限ではなく前後の水分補給が望ましい。
- 2
入浴時の湯温は45℃とする。不正解
45℃の高温は血圧上昇や皮膚負担が大きく、湯温は40℃前後が適切である。
- 3
脱衣室と浴室の温度差を小さくする。正解
脱衣室と浴室の温度差を小さくすることでヒートショックによる血圧変動を防げる。
- 4
浴室に入り、始めに浴槽に浸かるように促す。不正解
始めから浴槽に浸かるより、かけ湯などで身体を慣らしてから入るのが安全である。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
ここは温度の数字より、体がどちらに傾くかで覚える。ぬるめは休ませる、熱めは目を覚まさせる、と自律神経の向きが分かれば湯温の数字も思い出せる。
- 入浴の3作用=温熱作用・静水圧作用・浮力作用。静水圧は下肢の血液を心臓へ戻して心負荷を増やすため、心疾患では半座位浴や部分浴(手足など体の一部だけを湯につける方法)を検討する。
- 食直後・飲酒後の入浴は避ける。食後は消化管に血液が集まり、飲酒後は血管が広がって血圧が下がりやすいため、入浴中の事故につながりやすい。
| 湯温 | 自律神経 | 作用 |
|---|---|---|
| 微温浴(37〜39℃) | 副交感神経優位 | 鎮静的に働き入眠を促す |
| 温浴(40〜41℃) | — | 一般的な入浴温度。循環を促進する |
| 高温浴(42℃以上) | 交感神経優位 | 覚醒・血圧上昇。心負荷が大きい |
参考: 標準的な基礎看護技術(入浴・清潔の援助)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について