第112回 看護師国家試験 午後 問17 解説
📝 問題
上腕動脈で行う聴診法による血圧測定で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 血圧測定では、マンシェットの装着部位と心臓が同じ高さになるようにするのが適切である。
聴診法による血圧測定では、測定部位(上腕)を心臓と同じ高さに保つことが重要である。 測定部位が心臓より高いと血圧は低く、低いと高く測定され、水頭差による誤差が生じるためである。
国試では血圧測定の手技の細部が問われる。 マンシェットの幅は成人の上腕でおよそ13〜14cmが標準(9〜10cmは細すぎて高めに出る)。 下端は肘窩から2〜3cm上に巻き、聴診器を当てる余地を確保する。 装着はマンシェットと腕の間に指が2本程度入るきつさが目安である(指3〜4本ではゆるすぎる)。 誤選択肢はいずれもこれらの基準からのずれを問うており、正しい基準値を押さえておくと判別できる。
水頭差とは
測る場所と心臓の高さの差から生まれる圧の差。血液にも重さがあるため、腕の位置が心臓からずれると、その分だけ測定値がずれる。
肘窩とは
ひじの内側のくぼみ。上腕動脈が浅く走っていて、聴診法ではここに聴診器を当てる。
- 1
成人では9〜10cm幅のマンシェットを用いる。不正解
成人上腕のマンシェット幅は概ね13〜14cmが標準で、9〜10cmでは細すぎて血圧が高く測定される。
- 2
マンシェットの下端は肘窩が重なるように巻く。不正解
マンシェットの下端は肘窩から2〜3cm上に巻き、肘窩に重ねると聴診器が当てにくく適切でない。
- 3
マンシェットの装着部位と心臓が同じ高さになるにする。正解
測定部位(上腕)と心臓を同じ高さにすることで、水頭差による測定誤差を防げる。
- 4
マンシェットと腕の間に指が3、4本入る程度の強さで巻く。不正解
指が3〜4本入るのはゆるすぎで、指2本程度入るきつさが適切な装着の目安である。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
高く出る側だけを覚えれば、残りは反対と分かる。「高く出る」の代表はカフが狭いときと腕が心臓より低いときで、逆にすればそのまま低く出る。
- カフ幅が狭すぎると血圧は高く、広すぎると低く測定される。
- 測定部位が心臓より高いと低値に、低いと高値になる。
- 減圧は1拍動に2〜3mmHg程度でゆっくり行う。速すぎると収縮期血圧を低く、拡張期血圧を高く読みやすい。
| 対象 | 幅 |
|---|---|
| 生後3か月未満 | 3cm |
| 3か月〜3歳未満 | 5cm |
| 3歳〜6歳未満 | 7cm |
| 6歳〜9歳未満 | 9cm |
| 9歳以上 | 12cm |
| 成人(上腕) | 14cm |
参考: 標準的な基礎看護技術(血圧測定)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について