第112回 看護師国家試験 午前 問89 解説
📝 問題
クリニカルパスについて正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・5
💡 解説
✅ クリニカルパスについて正しいのは、医療者と患者が治療計画を共有できることと、一定の質を保った治療・看護ケアの提供につながることである。
クリニカルパスは、ある疾患・治療について標準的な経過を時間軸に沿って示した診療・ケアの計画表である。患者用パスを用いれば医療者と患者が治療の見通しや計画を共有でき、また標準化により医療者間・施設間でばらつきの少ない一定の質を保った治療・看護ケアの提供につながる。
誤りの選択肢を確認する。クリニカルパスは在宅療養や地域連携(地域連携パス)にも活用でき、在宅療養に適用できないわけではない。バリアンス(計画からの逸脱)は退院日だけでなく、経過中に発生した時点で随時把握・分析するものである。標準化により多職種の役割が明確になっても、多職種間のコミュニケーションが不要になるわけではなく、むしろ連携を促進する。
国試ではクリニカルパスの目的(標準化・質の保証・情報共有・在院日数の適正化)と、バリアンス分析の意義が問われる。『標準化してばらつきを減らし、患者と計画を共有する』という基本的な役割を押さえておく。
クリニカルパスとは
入院から退院までの検査・治療・ケアの標準的な流れを、日ごとに一覧にした計画表。医療者と患者が同じ見通しを共有できる。
- 1
在宅療養には適用できない。不正解
クリニカルパスは在宅療養や地域連携(地域連携パス)にも活用でき、在宅に適用できないわけではない。
- 2
医療者と患者が治療計画を共有できる。正解
患者用パスにより、医療者と患者が治療計画や見通しを共有できる。
- 3
バリアンス発生の判断は退院日に行う。不正解
バリアンスは退院日ではなく、計画からの逸脱が生じた時点で随時把握・分析する。
- 4
多職種間のコミュニケーションが不要になる。不正解
クリニカルパスは多職種の連携を促進するもので、コミュニケーションが不要になるわけではない。
- 5
一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながる。正解
標準化によりばらつきの少ない、一定の質を保った治療・看護ケアの提供につながる。
📚 ここも一緒におさえておこう
クリニカルパスは、バリアンスの扱いと、患者・多職種・他施設との共有のしかたまで含めて問われる。
- バリアンス=パスからの逸脱。発生した時点で把握・分析し、パスの改訂やケアの改善につなげる
- 患者用パスは患者・家族が治療の見通しを理解し、主体的に治療に参加することを助ける
- 地域連携クリティカルパスは、急性期病院から回復期・在宅までの流れを施設間で共有する仕組みで、脳卒中・大腿骨頸部骨折・がんなどで用いられる
- パスは多職種の役割を明確にするが、多職種間のコミュニケーションを不要にするものではない
参考: 看護管理学(クリニカルパスの目的とバリアンス分析)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について