第112回 看護師国家試験 午前 問74 解説

一般看護の統合と実践✔ 監修済み

📝 問題

国際協力として5歳未満児死亡率の高い地域に1年間派遣されることになった看護師が、派遣される地域の住民に対して行う活動でプライマリヘルスケアの原則に基づいた活動はどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ プライマリヘルスケアの原則に基づくのは、派遣先で入手できる資源を利用した活動である。

プライマリヘルスケア(PHC)は、アルマ・アタ宣言で提唱された理念で、住民のニーズに基づき、地域で入手可能な資源(人材・技術・費用)を活用し、住民参加のもとで実施可能・継続可能な保健活動を重視する。 派遣先で入手できる資源を利用した活動は、適正技術の活用と地域資源の有効利用にあたる。

高度な治療を目的とする活動や医学的研究を優先する活動、外部の専門家チームを中心とする活動は、いずれも住民中心・地域資源の活用・持続可能性という理念に反する。

適正技術とは

その地域の人が自分たちで使い続けられる技術のこと。高価な最新機器ではなく、現地で手に入り修理もできる方法を選ぶという考え方。

アルマ・アタ宣言とは

1978年にWHOなどが採択し、プライマリヘルスケアという考え方をここで打ち出した宣言。「2000年までにすべての人に健康を」を目標に掲げた。

  • 1

    高度な治療を目的とした活動不正解

    高度な治療を目的とする活動は、資源の限られた地域で持続可能とは言えず、PHCの原則に合致しない。

  • 2

    医学的研究の遂行を優先した活動不正解

    医学的研究の遂行を優先する活動は住民のニーズ充足を第一とするPHCの理念に反する。

  • 3

    派遣先で入手できる資源を利用した活動正解

    派遣先で入手できる資源(適正技術・地域資源)を利用する活動はPHCの原則に基づく。

  • 4

    派遣される専門家チームを中心とする活動不正解

    外部の専門家チーム中心の活動は、住民参加・住民主体を重視するPHCの理念に合致しない。

📚 ここも一緒におさえておこう

プライマリヘルスケアは1978年のアルマ・アタ宣言で「2000年までにすべての人に健康を」を目標に提唱された。 原則と活動項目、そのあとに続くヘルスプロモーションまでまとめて問われる。

  • PHCの4原則=住民の主体的参加・地域資源の活用・適正技術・多分野の協調
  • PHCの活動項目には健康教育、食料と栄養、安全な水と衛生、母子保健と家族計画、予防接種、地方流行病への対策、一般的な疾病の治療、必須医薬品の供給がある
  • ヘルスプロモーション(オタワ憲章・1986年)は健康を「生きるための資源」と捉え、健康的な公共政策づくりや環境整備を重視する
  • 国際看護では、現地で入手できる資源と技術を用い、住民自身が続けられる活動を組み立てることが基本

参考: アルマ・アタ宣言(プライマリヘルスケアの原則)

出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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