第111回 看護師国家試験 午後 問87 解説
📝 問題
動脈硬化症の粥腫形成に関与するのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・5
💡 解説
✅ 粥腫形成に関与するのは血管内皮細胞と泡沫細胞である
動脈硬化(粥状硬化)の粥腫(プラーク)形成では、まず血管内皮細胞の障害が起点となる。内皮が傷害されるとLDLコレステロールが内膜下に侵入して酸化し、そこに集まってきた単球がマクロファージに分化して酸化LDLを取り込む。脂質を貪食して泡が詰まったようになったマクロファージが「泡沫細胞」で、これが集積して粥腫(アテローム)を形成する。
他の選択肢はいずれも別の場所ではたらく細胞である。ランゲルハンス細胞は皮膚(表皮)の抗原提示細胞で動脈硬化とは無関係。メサンギウム細胞は腎糸球体を構成する細胞で、動脈硬化の粥腫形成には関与しない。肥満細胞(マスト細胞)はアレルギー・炎症でヒスタミンを放出する細胞で、粥腫形成の主役ではない。
LDLコレステロールとは
血液中でコレステロールを全身へ運ぶ粒子。増えすぎると血管の壁にたまるため「悪玉コレステロール」ともよばれる。
マクロファージとは
体内の異物や古くなった細胞を食べて処理する白血球の一種。血液中の単球が組織に入って変化したもの。
- 1
Langerhans〈ランゲルハンス〉細胞不正解
ランゲルハンス細胞は皮膚表皮の抗原提示細胞で、粥腫形成には関与しない。
- 2
メサンギウム細胞不正解
メサンギウム細胞は腎糸球体を構成する細胞で、動脈硬化の粥腫形成とは無関係。
- 3
血管内皮細胞正解
血管内皮細胞の障害が粥腫形成の起点となり、動脈硬化の進展に関与する。
- 4
肥満細胞不正解
肥満細胞はアレルギー・炎症でヒスタミンを放出する細胞で、粥腫形成の主役ではない。
- 5
泡沫細胞正解
泡沫細胞は酸化LDLを取り込んだマクロファージで、集積して粥腫を形成する。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
動脈硬化は、どの細胞がどの段階ではたらくかを入れ替えて問われる。細胞の名前だけでなく、起こる順番とセットで覚えよう。 粥状硬化は内皮障害から始まる。LDLコレステロールが内膜下に入って酸化され、マクロファージが取り込んで泡沫細胞となり、平滑筋細胞の遊走・増殖と線維性被膜の形成を経てプラークができる。
- プラークが破綻すると血栓が形成され、急性心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす。
- HDLコレステロールは末梢の余分なコレステロールを回収し、動脈硬化を抑える方向に働く。
- 危険因子=脂質異常症・高血圧・糖尿病・喫煙に、加齢・男性・家族歴が加わる。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について