第111回 看護師国家試験 午後 問64 解説

一般母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤のため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。 手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 前置胎盤の帝王切開に備え、輸血の準備ができているか確認する

前置胎盤は胎盤が子宮下部(内子宮口を覆う位置)に付着しており、出血しやすく、帝王切開時に大量出血を来すリスクが高い。そのため手術前日には輸血の準備(血液型・クロスマッチ、輸血用血液の確保)ができているかを確認することが最も重要である。

他の選択肢は、前置胎盤の術前対応としてふさわしくない。 浣腸は、前置胎盤では子宮収縮・出血を誘発する危険があり禁忌である。 禁食(絶食)の確認は術前管理として必要だが、前置胎盤に特有の最優先事項ではなく、術前一般管理にとどまる。 間欠的空気圧迫装置(フットポンプ)は深部静脈血栓予防として術中〜術後に装着するもので、手術前日から装着するものではない。

覚え方: 「前置胎盤=出血=輸血準備が命綱」。国試では前置胎盤の禁忌(内診・浣腸を避ける、警告出血への対応)と大量出血への備えがセットで問われる。出血量の評価や急速輸血の準備を最優先に考える。

クロスマッチとは

輸血の前に、患者の血液と輸血用の血液を実際に混ぜて、固まったり壊れたりしないかを調べる検査。交差適合試験ともいう。

間欠的空気圧迫装置とは

下肢に巻いたカバーに空気を送り、圧迫とゆるめるのをくり返して血流をうながす装置。深部静脈血栓症の予防に使い、フットポンプともよばれる。

  • 1

    浣腸を行う。不正解

    前置胎盤では浣腸は子宮収縮や出血を誘発する危険があり禁忌である。

  • 2

    夕食が禁食となっているか確認する。不正解

    禁食確認は術前一般管理として必要だが、前置胎盤に特有の最優先事項ではない。

  • 3

    輸血の準備ができているか確認する。正解

    前置胎盤は大量出血のリスクが高く、輸血準備の確認が前日の最重要対応となる。

  • 4

    下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。不正解

    間欠的空気圧迫装置は血栓予防として術中〜術後に装着するもので、前日装着ではない。

📚 ここも一緒におさえておこう

前置胎盤は、出血への備えと、避けるべき援助がセットで出題される。迷ったら「出血を増やさないか」を基準に考えよう。 前置胎盤は胎盤が内子宮口にかかるもので、妊娠中期以降の無痛性の性器出血(警告出血)が特徴。分娩様式は原則帝王切開である。

  • 前置胎盤では不用意な内診・浣腸を避ける(大出血を誘発する)。
  • 癒着胎盤を合併すると子宮全摘に至ることがあり、自己血貯血や十分な輸血の確保が重要になる。
前置胎盤と常位胎盤早期剝離
前置胎盤常位胎盤早期剝離
出血無痛性の外出血(警告出血)持続する腹痛を伴う。外出血は少ないこともある
子宮柔らかい硬い(板状硬)
胎児当初は良好なことが多い急速に低酸素・胎児死亡に至る
母体貧血の進行DIC・出血性ショックを起こしやすい

出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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