第111回 看護師国家試験 午後 問16 解説
📝 問題
貧血の定義で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 貧血とはヘモグロビン濃度が減少している状態である。
貧血は血液中のヘモグロビン濃度が基準値未満に減少した状態と定義される。 世界保健機関(WHO〈ダブリューエイチオー〉)の基準では成人男性13g/dL未満、成人女性12g/dL未満などが貧血の目安とされる。 赤血球数やヘマトクリットも参考にするが、定義の中心はヘモグロビン濃度である。
他の選択肢は貧血の定義ではない。血圧低下・脈拍増加(頻脈)は出血やショック、あるいは貧血に伴って二次的に現れうる所見だが、定義そのものではない。「立ち上がると失神」は起立性低血圧の症状であり、貧血とは別の概念である。 貧血=ヘモグロビン濃度の減少、と定義を正確に押さえる。
国試では貧血の定義(ヘモグロビン濃度の低下)と、鉄欠乏性貧血・巨赤芽球性貧血・溶血性貧血などの原因分類、随伴症状(易疲労・動悸・息切れ・眼瞼結膜蒼白)が繰り返し問われる。
ヘマトクリットとは
血液全体に占める赤血球の体積の割合。貧血では低くなる。
起立性低血圧とは
寝た姿勢や座った姿勢から立ち上がったときに血圧が下がり、めまいや立ちくらみが起こること。
- 1
血圧が低下すること不正解
血圧低下は貧血の定義ではなく、ショックや脱水などでも起こる。
- 2
脈拍が速くなること不正解
脈拍増加は貧血の随伴症状となりうるが定義ではない。
- 3
立ち上がると失神を起こすこと不正解
起立時の失神は起立性低血圧の症状で、貧血の定義ではない。
- 4
ヘモグロビン濃度が減少していること正解
ヘモグロビン濃度の減少が貧血の定義である。
📚 ここも一緒におさえておこう
WHOの貧血基準はヘモグロビン濃度で、成人男性13g/dL未満、成人女性12g/dL未満、妊婦・6か月〜5歳の小児11g/dL未満。
- 鉄欠乏性貧血では血清フェリチン低下・総鉄結合能(TIBC)上昇がみられ、スプーン爪(匙状爪)や異食症を伴うことがある。
- 鉄剤はビタミンCと一緒に吸収が高まり、タンニン(濃い茶)で吸収が下がる。便が黒くなることをあらかじめ説明する。
- 腎性貧血はエリスロポエチンの産生低下が原因で、エリスロポエチン製剤を用いる。
- 巨赤芽球性貧血のうち悪性貧血は内因子欠乏によるビタミンB12吸収障害で、ハンター舌炎や神経症状を伴う。
| 分類 | 代表疾患 |
|---|---|
| 小球性低色素性 | 鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血、サラセミア |
| 正球性正色素性 | 再生不良性貧血、溶血性貧血、腎性貧血、急性出血 |
| 大球性 | 巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏・葉酸欠乏) |
参考: 世界保健機関〈WHO〉
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について