第111回 看護師国家試験 午前 問77 解説

一般人体の構造と機能✔ 監修済み

📝 問題

脳の外側面を左右から見た模式図を示す。右利きの健常成人の Broca〔ブローカ〕の運動性言語中枢はどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ ブローカの運動性言語中枢は優位半球(右利きの人では左半球)の前頭葉下部(下前頭回)にある

ブローカの運動性言語中枢は、優位半球(右利きの人ではほとんどが左半球)の前頭葉の下部、下前頭回にある。言葉を組み立てて話す働きを担い、傷つくと、言われたことは分かるのに言葉が出にくい運動性失語になる。

図では、左半球を描いた右側の図で、前頭葉の下部にある④がこれにあたる。③は左右両方の前頭極を指しており、言語をつかさどる下前頭回とは別の場所である。

外側溝とは

大脳の外側面を前下から後上へ斜めに走る深い溝。前頭葉・頭頂葉と側頭葉の境目にあたり、シルビウス溝ともよぶ。

  • 1

    ①不正解

    ①は右半球(左側の図)の外側溝の上の後ろ側を指している。左半球の同じ場所ならウェルニッケの感覚性言語中枢だが、右半球には言語中枢はない。

  • 2

    ②不正解

    ②は右半球の下前頭回で、ブローカ野とちょうど左右対称の位置にあたる。場所は合っているが、右利きの人では言語中枢は左半球にある。

  • 3

    ③不正解

    ③は左右両方の前頭極(前頭葉のいちばん前)を指している。思考や意欲に関わる部位で、言語中枢ではない。

  • 4

    ④正解

    ④は左半球(右側の図)の前頭葉下部(下前頭回)にあり、ブローカの運動性言語中枢に該当する。

  • 5

    ⑤不正解

    ⑤は左半球の外側溝の上の後ろ側で、ウェルニッケの感覚性言語中枢の位置。言葉を理解する中枢であって、話す中枢ではない。

📚 丸暗記より仕組みで覚えよう

大脳の機能局在は中心溝を境に前が運動・後ろが感覚と押さえるのが基本。言語野も同じで、前方(前頭葉)=話す(運動性)、後方(側頭葉)=わかる(感覚性)である。図の位置を入れ替えて問われるので、前後で覚えよう。

  • 中心前回=一次運動野、中心後回=一次体性感覚野。後頭葉=視覚野、側頭葉上部=聴覚野。
  • 運動野・感覚野は身体部位ごとに担当領域が決まっており(ホムンクルス)、手・口唇・顔の領域が広い。
  • 失語は言語野の障害。構音障害(発声発語器官の運動障害)とは区別する。
代表的な失語のタイプ
型病巣発話理解復唱
ブローカ失語(運動性)前頭葉下部(下前頭回)非流暢比較的良好不良
ウェルニッケ失語(感覚性)側頭葉(上側頭回後部)流暢だが錯語不良不良
伝導失語弓状束流暢良好不良
全失語広範非流暢不良不良

出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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