第111回 看護師国家試験 午前 問5 解説
📝 問題
患者の選択権の行使を最も促進するのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 患者の選択権を最も促進するのはインフォームド・コンセントである。
インフォームド・コンセントは、医療者が診断・治療法・利益とリスク・代わりの方法を十分に説明し、患者が理解したうえで自分の意思で治療を選び、同意することをいう。患者の自己決定を支える仕組みそのものである。
他の選択肢はいずれも患者の自己決定を狭める方向に働く。父権主義(パターナリズム)は医療者が患者に代わって決める姿勢で、医師の裁量権も医療者側の判断を優先する。コンプライアンスは患者が指示に従うことを指す。
コンプライアンスとは
医療では、患者が医療者の指示どおりに服薬や治療を続けること。近年は、患者が納得して自分から取り組むアドヒアランスという考え方が重視される。
- 1
父権主義不正解
父権主義は医療者が患者に代わり判断する姿勢で、選択権を制限する。
- 2
医師の裁量権不正解
医師の裁量権は医療者側の判断を優先し、患者の選択を促進しない。
- 3
コンプライアンス不正解
コンプライアンスは指示遵守を意味し、患者主体の選択とは逆方向。
- 4
インフォームド・コンセント正解
十分な説明と理解に基づく同意で、患者の自己決定・選択権を最も促進する。
📚 ここも一緒におさえておこう
患者の権利に関わる用語は、似た言葉と入れ替えて出される。医療倫理の4原則のどれを形にしたものかを対にして覚えよう。
- 医療倫理の4原則=自律尊重・無危害・善行・正義。インフォームド・コンセントは自律尊重の具体化である。
- インフォームド・アセントは、法的な同意能力のない小児に対し、発達段階に応じて説明し了解を得ること。
- セカンドオピニオンは他の医師の意見を求める権利で、主治医の変更とは異なる。
- 看護師のアドボカシー(権利擁護)は、患者が自分の意思を表明・実現できるよう支える役割をいう。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について