第111回 看護師国家試験 午前 問39 解説
📝 問題
A さん(24 歳、男性)は急性虫垂炎の術後1日で、ベッド上で仰臥位になり右前腕から点滴静脈内注射が行われている。A さんは左利きである。病室外のトイレまで A さんが移動するための適切な療養環境はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 端座位で足底が床につく高さにベッドを調整するのが適切。
移動や移乗を安全に行うための基本は、端座位になったときに足底が床にしっかりつく高さへベッドを調整することである。足底が床につくと支持基底面が安定し、立ち上がりや向きを変える動作が安全に行える。
Aさんは右前腕から点滴を受けていて、左利きである。履物・ベッド柵・輸液スタンドをどちら側に置くかは、点滴側(右)を守り、利き手(左)で柵や手すりをつかめるようにと考えて決めるもので、左右を一律には決められない。移動のときは輸液ラインを引っ張らないよう手元でまとめておく。
端座位とは
ベッドの端に腰かけ、両足を床に下ろした姿勢。立ち上がる前の姿勢で、ここが安定していないと転倒しやすい。
- 1
履物は A さんの左手側に置く。不正解
履物は立ち上がり時に両足で履ける足元に置くのが基本で、左手側に置く根拠は乏しい。
- 2
ベッド柵は A さんの右手側に設置する。不正解
ベッド柵の位置は移動動線と安全に応じて決めるもので、右手側と一律にするのは適切でない。
- 3
輸液スタンドは A さんの左手側に置く。不正解
輸液スタンドは点滴側で操作・移動しやすい位置に置き、ラインを引っ張らないことが重要。
- 4
ベッドは端座位時に A さんの足底が床につく高さにする。正解
端座位で足底が床につく高さにすると支持基底面が安定し、安全に立ち上がれる。
📚 国試でよく狙われるところ
転倒・転落は、要因と対策を入れ替えて問われる。環境・身体・薬剤の3方向に分け、どこに手を出せるかで覚えよう。 入院中のインシデントで最も多い事象の一つである。
- 環境:ベッドの高さ・ストッパー・ナースコールの位置・照明・床の水濡れ・段差を整える。
- 履物はかかとのある滑りにくいものを選び、スリッパは避ける。
- 薬剤:睡眠薬・向精神薬・降圧薬・利尿薬はふらつきや頻尿を招き、転倒リスクを高める。
- 術後初回離床では起立性低血圧に備え、段階的に体位を上げて症状を確認する。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について