第110回 看護師国家試験 午後 問70 解説
📝 問題
仙骨部に皮下組織に達する褥瘡がある患者が入院となった。患者は車椅子の利用を主治医に許可されている。この患者に対する多職種で行う褥瘡ケアにおいて、受け持ち看護師が担う役割で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 受け持ち看護師は理学療法士と車椅子乗車時の除圧方法を検討する。
多職種で行う褥瘡ケアでは、各職種が専門性に応じた役割を担い、看護師は療養生活全体を調整するとともに他職種と協働してケアを立案・実施する。 車椅子利用が許可されている患者では、座位保持による仙骨部への圧迫が褥瘡悪化のリスクとなるため、動作や姿勢の専門家である理学療法士と乗車時の除圧方法を検討することが看護師の適切な役割である。
外用薬の処方は医師の役割であり薬剤師に依頼するものではない。 感染性廃棄物の廃棄を事務職員に依頼するのは職務・感染管理上不適切である。 ドレッシング材は創の深さや滲出液の量をみて選ぶもので、医学的判断を伴う以上、介護職員に選択を任せることはできない。 多職種連携では各職種の専門性と役割分担を正しく理解することが重要である。
除圧とは
同じ場所にかかり続ける圧を逃がすこと。体位変換や、車椅子で腰を浮かせるプッシュアップが代表的な方法。
ドレッシング材とは
傷を覆って適度に湿った環境を保つ被覆材。傷の深さや滲出液の量に合わせて選ぶため、選択には医学的な判断がいる。
- 1
薬剤師に外用薬の処方を依頼する。不正解
外用薬の処方は医師の役割であり、薬剤師に処方を依頼するのは不適切である。
- 2
事務職員に汚染ガーゼの廃棄を依頼する。不正解
汚染ガーゼは感染性廃棄物であり、事務職員に廃棄を依頼するのは職務・感染管理上不適切である。
- 3
介護職員にドレッシング材の選択を依頼する。不正解
ドレッシング材の選択は医学的判断を要し、介護職員に委ねるべきではない。
- 4
理学療法士と車椅子乗車時の除圧方法を検討する。正解
車椅子乗車時の除圧方法を動作の専門家である理学療法士と検討するのは看護師の適切な役割である。
📚 場面問題で迷ったら
多職種連携の問題は、選択肢がその職種にできない仕事を頼んでいないかで正誤が決まる。褥瘡ケアの土台は除圧であり、そこに各職種がどう関わるかまで見ておきたい。
- 体位変換は2時間ごとが基本(体圧分散寝具を用いる場合は4時間を超えない範囲で延長できる)
- 車椅子座位では15分ごとにプッシュアップなどで座面の圧を逃がす
- 評価にはDESIGN-R(深さ・滲出液・大きさ・炎症/感染・肉芽・壊死組織・ポケット)を用いる
- 低栄養は治癒を妨げるため、管理栄養士と協働してエネルギーと蛋白質を確保する
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について