第110回 看護師国家試験 午後 問59 解説
📝 問題
クラウス, M. H. とケネル, J. H. が提唱した絆(ボンディング)について適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ ボンディングは母子相互作用によって促進される。
クラウスとケネルが提唱した絆(ボンディング)は、親から子どもへ向かう情緒的な結びつきであり、出生後の抱っこや授乳、目を合わせるなどの母子相互作用(母子接触)を通じて促進されると考えられている。 「母子相互作用によって促進される」が正しい。
ボンディングは生まれながらに完成しているものではなく、関わりの中で育まれる。母子間の同調性を意味するのは相互作用の一側面であり定義そのものではない。「親との間に子どもが築くもの」は子から親への愛着(アタッチメント)の説明に近く、ボンディング(親から子へ)とは向きが異なる。
愛着(アタッチメント)とは
子どもが親など特定の大人との間につくる情緒的な結びつき。不安なときにその人に近づいて安心を得ようとする働きをいう。
- 1
生まれながらのものである。不正解
ボンディングは生得的に完成するものではなく関わりで育まれる。
- 2
母子間の同調性を意味する。不正解
同調性は相互作用の一側面でボンディングの定義そのものではない。
- 3
母子相互作用によって促進される。正解
ボンディングは出生後の母子相互作用によって促進される。
- 4
親との間に子どもが築くものである。不正解
子が親に築くのは愛着で、親から子へのボンディングとは向きが異なる。
📚 混同しやすいので注意
ボンディングとアタッチメント〈愛着〉は、向きを入れ替えて問われる。「親→子がボンディング、子→親が愛着」と矢印の向きで覚えよう。 アタッチメントはボウルビィが提唱した概念。
- ボンディング形成を促す関わり=出生直後の早期母子接触、早期授乳、母子同室、児の反応を母親に伝える声かけ。
- ボンディング障害は児に対して愛情がわかない・拒否的になる状態で、産後うつ病や虐待の背景となることがある。
- 産後うつ病のスクリーニングにはエジンバラ産後うつ病自己評価票〈EPDS〉が用いられる。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について