第110回 看護師国家試験 午後 問39 解説

📝 問題

経口薬と食品の関係について、正しいのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 抗ヒスタミン薬はアルコールで副作用が出やすくなる。

抗ヒスタミン薬はヒスタミンH1受容体を遮断し、中枢抑制作用(眠気)をもつものが多い。アルコールも中枢抑制作用があるため併用すると相加的に作用が強まり、眠気・鎮静などの副作用が出現しやすくなる。

テトラサイクリン系抗菌薬は牛乳中のカルシウムとキレートを形成して吸収が低下する(高まるではない)。非ステロイド性抗炎症薬の吸収が炭酸飲料で早まるという確立した事実はない。キサンチン系気管支拡張薬(テオフィリン)で相互作用が問題となるのは喫煙やカフェインなどであり、納豆で副作用が出やすくなるわけではない(納豆が問題となるのはワルファリン)。

キレートとは

薬が牛乳や制酸薬に含まれる金属(カルシウム・マグネシウムなど)と結びつき、腸から吸収されない大きな塊になること。

中枢抑制作用とは

脳のはたらきを抑える作用。眠気・ふらつき・集中力の低下が起こり、アルコールと重なると強く出る。

  • 1

    テトラサイクリン系抗菌薬は牛乳の摂取によって吸収が高まる。不正解

    テトラサイクリンは牛乳のCaとキレートし吸収は低下する。

  • 2

    非ステロイド性抗炎症薬は炭酸飲料の摂取によって吸収が早まる。不正解

    非ステロイド性抗炎症薬の吸収が炭酸飲料で早まるという確立した根拠はない。

  • 3

    抗ヒスタミン薬はアルコールの摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。正解

    抗ヒスタミン薬とアルコールは中枢抑制が相加し副作用が出やすい。

  • 4

    キサンチン系気管支拡張薬は納豆の摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。不正解

    納豆が問題となるのはワルファリンで、キサンチン系ではない。

📚 国試でよく狙われるところ

薬と食品の相互作用は、薬と食品の組合せを入れ替えて問われる。表の1行を「薬・食品・どうなるか」の3点セットで覚えよう。 代謝酵素(CYP)の阻害・誘導と、消化管での吸収阻害(キレート形成)が二大機序である。

覚えておきたい薬と食品の相互作用
薬食品相互作用
ワルファリン(抗凝固薬)納豆・クロレラ・青汁・緑黄色野菜(大量)ビタミンKにより作用が減弱する
カルシウム拮抗薬(降圧薬)グレープフルーツジュースCYP3A4の阻害で血中濃度が上がり、血圧低下・徐脈
テトラサイクリン系・ニューキノロン系抗菌薬牛乳・乳製品・制酸薬カルシウムやマグネシウムとキレートを形成し吸収が低下
抗ヒスタミン薬・睡眠薬・抗不安薬アルコール中枢抑制作用が相加され、眠気・ふらつきが増強
テオフィリン(キサンチン系)カフェイン・喫煙カフェインで作用が増強、喫煙は代謝を促進し効果が減弱
MAO阻害薬チーズ・赤ワイン(チラミン)血圧が上昇する(チーズ効果)

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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