第110回 看護師国家試験 午後 問103 解説
📝 問題
Aちゃん(6か月、女児)は、父親(会社員)、母親(主婦)、兄のB君(3歳)と4人家族である。近所に祖父母が住んでいる。Aちゃんは3日前から鼻汁と咳嗽があり、昨日夕方より39℃の発熱がみられ小児科外来を受診した。自宅で哺乳量の低下はなく、1日に1、2回咳嗽とともに嘔吐がみられていた。来院時、体温39.3℃、呼吸数45/分、脈拍142/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)であった。診察と検査の結果、RSウイルスによる急性細気管支炎と診断され、去痰薬が処方された。診察後、家庭でのケアについてAちゃんの母親に指導することになった。 看護師の指導で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 急性細気管支炎で鼻閉があると哺乳が妨げられるため、哺乳前に鼻水を吸引する。
乳児は鼻呼吸が主体で、RSウイルスによる急性細気管支炎で鼻汁が多いと、鼻閉のために呼吸も哺乳も妨げられる。 哺乳の前に鼻水を器具で吸引して鼻の通りをよくしておくと、飲みやすくなり哺乳量の低下を防げる。
1回に飲む量を多くすると哺乳の疲れや嘔吐・誤嚥を招くため、少量頻回にする。 去痰薬をミルクの後にすると、満腹で飲めなかったり吐いたりしやすい。 授乳後すぐに仰向けで寝かせると溢乳・誤嚥の危険があり、しばらくは上体を高くして様子をみる。
RSウイルスとは
かぜを起こすウイルスの一種。乳児がかかると細い気管支に炎症が広がり、細気管支炎や肺炎になりやすい。
溢乳とは
飲んだ乳が口からたらりと戻ること。乳児の胃は入口の締まりが弱く縦に近い形のため起こりやすい。
- 1
「1回に飲むミルクの量を多くしてください」不正解
呼吸が不安定なときに1回量を多くすると疲労・嘔吐・誤嚥を招く。少量頻回が望ましい。
- 2
「哺乳前に鼻水を器具で吸引してあげてください」正解
乳児は鼻呼吸主体で、哺乳前に鼻水を吸引すると鼻の通りがよくなり哺乳しやすくなる。
- 3
「去痰薬は、ミルクを飲んだ後に飲ませてください」不正解
去痰薬をミルクの後にすると満腹で飲めなかったり嘔吐したりしやすく、一律には不適切。
- 4
「授乳後は仰向けで寝かせてください」不正解
授乳後の仰臥位は溢乳・誤嚥のリスクがあり、上体を高くするなどの配慮が望ましい。
📚 国試でよく狙われるところ
RSウイルスによる細気管支炎は、流行する季節・かかる年齢・予防投与の対象と、家庭でのケアが問われる。乳児では細気管支炎になり年長児では感冒で済む、という年齢差を軸に覚えよう。
- RSウイルスは乳幼児の細気管支炎・肺炎の主要な原因で、秋から春にかけて流行する
- 2歳までにほとんどの児が感染し、再感染も多い。年長児では感冒様症状で済む
- 早産児・慢性肺疾患・先天性心疾患のある児にはパリビズマブ(抗RSウイルス抗体)の予防投与が行われる
- 家庭でのケア=少量頻回の授乳、こまめな鼻汁吸引、加湿、上体を高くした体位、手洗い・咳エチケット
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について