第110回 看護師国家試験 午後 問101 解説
📝 問題
Aちゃん(生後3週)は噴水状嘔吐で来院し肥厚性幽門狭窄症が疑われ入院した。検査の結果、Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症と診断された。Aちゃんは直ちに絶飲食となり、経鼻胃管が留置され、持続点滴静脈内注射が開始された。担当医師と家族とが治療方針を話し合った結果、全身状態が安定したあとに手術をする方針になった。 Aちゃんの術前看護で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 肥厚性幽門狭窄症の術前は、経鼻胃管を自然開放して胃内容の減圧・排出を図る。
肥厚性幽門狭窄症では幽門の通過障害でミルクや分泌物が胃にたまる。術前は経鼻胃管を自然開放(ドレナージ)にして胃の中身を体外へ出し減圧することで、誤嚥や胃拡張を防ぐ。 胃管をクランプすると貯留が続き、嘔吐・誤嚥の危険が高まる。
浣腸は下部消化管への処置で、上部消化管が詰まっているこの病気には意味がない。 脱水と電解質異常を補正するため、尿量は水分出納の管理に欠かせない。 抱っこは乳児の安心につながる大切なケアで、ライン管理に配慮すれば行ってよい。 術前は脱水・電解質異常の補正と全身状態の安定が最優先である。
自然開放とは
胃管の先を閉じずに開けたままにして、胃の中身を自然に流し出すこと。ためこまないことで嘔吐と誤嚥を防ぐ。
水分出納とは
体に入った水分と出ていった水分の差し引き。点滴・尿・胃管からの排液をすべて数えて計算する。
- 1
浣腸を1日2回行う。不正解
上部消化管の閉塞であり、浣腸を1日2回行う意義はなく不適切。
- 2
尿量の測定は不要である。不正解
脱水・電解質補正の管理に尿量測定は不可欠で、不要とはいえない。
- 3
経鼻胃管は自然開放とする。正解
経鼻胃管を自然開放し胃内容を減圧・排出することで、嘔吐・誤嚥や胃拡張を防ぐ。
- 4
Aちゃんを抱っこすることは禁忌である。不正解
抱っこは安楽を与える重要なケアで禁忌ではない。ライン管理に配慮しつつ行える。
📚 手術より先にやること
肥厚性幽門狭窄症は「手術より先にやることは何か」という形で問われる。答えは脱水・電解質異常の補正で、全身状態が整ってから手術に進む。この順番が守られているかを選択肢ごとに確かめればよい。
- 経鼻胃管は自然開放として胃内容を排出し、嘔吐・誤嚥と胃拡張を防ぐ
- 評価の指標=尿量・体重・大泉門・皮膚のツルゴール・電解質・酸塩基平衡
- 胃管からの排液量も水分出納に含めて計算する
- 抱っこや非栄養的吸啜(おしゃぶり)は乳児の安楽を保つ重要なケアで、禁忌ではない
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について