第110回 看護師国家試験 午前 問84 解説

一般人体の構造と機能✔ 監修済み

📝 問題

感覚受容にリンパ液の動きが関与するのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

2・5

💡 解説

✅ リンパ液の動きが感覚受容に関与するのは聴覚と平衡感覚である

内耳には、聴覚を司る蝸牛と、平衡感覚を司る前庭・半規管がある。蝸牛の内部は内リンパ・外リンパで満たされ、音による液の振動が有毛細胞を刺激して聴覚が生じる。半規管や前庭も内リンパで満たされ、頭の回転や傾きによるリンパ液の動きが有毛細胞を刺激して平衡感覚が生じる。 リンパ液の動きが関与するのは聴覚と平衡感覚である。

他の選択肢はリンパ液の動きが関与しない。嗅覚は鼻腔の嗅上皮で化学物質(におい分子)を受容する化学感覚である。味覚は舌の味蕾で化学物質を受容する化学感覚である。振動感覚は皮膚・深部のパチニ小体などの機械受容器で受容される。

国試では内耳の構造と機能(蝸牛=聴覚、前庭・半規管=平衡覚、内リンパ・有毛細胞)が頻出である。「内耳のリンパ液の動き=聴覚・平衡感覚」と押さえておくとよい。

有毛細胞とは

内耳にある、細い毛の生えた感覚細胞。毛が液の流れで傾くと電気信号が生まれる。

蝸牛とは

内耳にある、カタツムリの殻の形をした管。入口側で高い音、奥のほうで低い音を受け取る。

  • 1

    嗅覚不正解

    嗅覚は嗅上皮でにおい分子を受容する化学感覚で、リンパ液の動きは関与しない。

  • 2

    聴覚正解

    聴覚は蝸牛内のリンパ液の振動が有毛細胞を刺激して生じる。

  • 3

    味覚不正解

    味覚は味蕾で化学物質を受容する化学感覚で、リンパ液の動きは関与しない。

  • 4

    振動感覚不正解

    振動感覚は皮膚・深部の機械受容器(パチニ小体など)で受容され、内耳リンパは関与しない。

  • 5

    平衡感覚正解

    平衡感覚は前庭・半規管の内リンパの動きが有毛細胞を刺激して生じる。

📚 混同しやすいので注意

感覚は、受容器と刺激の組み合わせを崩して出題される。どこで何を受け取るかを、感覚ごとにたどれるようにしておこう。 音は外耳道→鼓膜→耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)→蝸牛と伝わる。 伝音経路の障害を伝音難聴、蝸牛や聴神経の障害を感音難聴という。 半規管は回転(角加速度)を、耳石器(卵形嚢・球形嚢)は傾きと直線加速度を感知する。

感覚と受容器
感覚受容器・器官刺激の種類
聴覚内耳の蝸牛(コルチ器の有毛細胞)音によるリンパ液の振動
平衡感覚内耳の前庭(耳石器)・半規管頭部の傾き・回転によるリンパ液の動き
視覚網膜の錐体細胞・杆体細胞光
嗅覚鼻腔上部の嗅上皮におい分子(化学物質)
味覚舌などの味蕾味物質(化学物質)
触覚・圧覚・振動覚マイスネル小体・メルケル盤・パチニ小体機械的刺激

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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