第110回 看護師国家試験 午前 問68 解説

一般看護の統合と実践✔ 監修済み

📝 問題

夜勤帯に、A 看護師がスタッフステーションで抗菌薬の点滴静脈内注射を準備しているときに、発汗した患者から寝衣交換の依頼があり、別の患者から口渇で飲水したいという希望があった。直後に患者に装着されている人工呼吸器のアラームが鳴った。他の看護師は別の病室で重症者のケアをしている。A 看護師が最も優先すべきなのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 人工呼吸器を装着している患者の観察を最優先する

複数の要求が重なった状況では、生命の危険度が高いものを最優先する。人工呼吸器のアラームは、回路外れ・気道閉塞・呼吸状態の悪化など生命に直結する事態を示している可能性があり、放置すれば短時間で命に関わる。他の看護師が対応できない状況では、A看護師はまず人工呼吸器を装着している患者の観察を最優先すべきである。

他の選択肢は緊急度が相対的に低い。点滴の準備は中断しても直ちに患者の生命を脅かさない。発汗した患者の寝衣交換や飲水希望への対応は苦痛・不快の軽減として大切だが、生命の危険を伴うアラームより優先度は低く、後回しにできる。

国試では優先順位の問題が頻出であり、「生命の危機(気道・呼吸・循環=ABC)を最優先する」原則が問われる。 人工呼吸器のアラームは呼吸・気道の異常のサインであり、まず現場に向かって状態を確認することが基本である。

気道閉塞とは

痰や舌根沈下、チューブの折れなどで空気の通り道がふさがること。数分で低酸素に陥るため、疑った時点で最優先に確認する。

  • 1

    点滴静脈内注射の準備不正解

    点滴の準備は中断しても直ちに生命を脅かさず、最優先ではない。

  • 2

    発汗した患者の寝衣交換不正解

    寝衣交換は苦痛軽減として大切だが、生命に直結するアラームより優先度は低い。

  • 3

    飲水を希望する患者への対応不正解

    飲水希望への対応は後回しにでき、生命の危険を伴う事態が優先される。

  • 4

    人工呼吸器を装着している患者の観察正解

    人工呼吸器アラームは気道・呼吸の異常を示しうる生命危機のサインであり、患者の観察を最優先する。

📚 ここも一緒におさえておこう

人工呼吸器のアラームは、種類と原因を結びつけて問われる。圧が上がったのか下がったのかで原因を分けて覚えよう。 まず患者の状態(胸郭の動き・呼吸音・SpO2・意識・皮膚色)を確認し、原因が特定できないときや状態が悪いときは、用手換気(バッグバルブマスク)に切り替えて応援を呼ぶ。

人工呼吸器の主なアラームと原因
アラーム主な原因
気道内圧上限痰の貯留、回路の屈曲・閉塞、気管チューブの閉塞、咳嗽・ファイティング、気胸
気道内圧下限(低圧)回路の外れ・接続不良、リーク、カフ圧の低下、計画外抜管
換気量低下リーク、カフ圧低下、自発呼吸の減弱
無呼吸自発呼吸モードでの呼吸停止、鎮静の深まり

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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