第110回 看護師国家試験 午前 問60 解説
📝 問題
都道府県知事の任命を受けて、精神保健福祉センターで精神障害者や家族の相談を行うのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 精神保健福祉センターで相談を行うのは精神保健福祉相談員。
精神保健福祉相談員は、精神保健福祉法に基づき、都道府県知事または市町村長の任命を受けて、精神保健福祉センターや保健所などに配置され、精神障害者やその家族などからの相談に応じ、必要な指導を行う職員である。
他の選択肢は、いずれも知事の任命を受けてセンターに配置される職ではない。 ゲートキーパーは自殺の危険を示すサインに気づき見守り・つなぐ役割を担う人々の総称である。 ピアサポーターは同じ疾患・障害の経験をもつ当事者として支援を行う人をいう。 退院後生活環境相談員は、医療保護入院者の退院支援のために精神科病院で選任される者で、精神保健福祉センターで相談を行う職ではない。
精神保健福祉領域の各職種・役割(相談員・退院後生活環境相談員・ピアサポーターなど)の位置づけを区別して押さえておく。
医療保護入院とは
精神科の入院のうち、本人が入院の必要性を判断できない状態のときにとられる形態。退院に向けた相談員の選任など、手厚い手続きが法律で決められている。
- 1
ゲートキーパー不正解
ゲートキーパーは自殺予防で気づき・見守る役割の総称で、任命職ではない。
- 2
ピアサポーター不正解
ピアサポーターは経験を持つ当事者による支援者で、行政の任命職ではない。
- 3
精神保健福祉相談員正解
精神保健福祉相談員は知事等の任命でセンター等に配置され相談を行う。
- 4
退院後生活環境相談員不正解
退院後生活環境相談員は精神科病院で医療保護入院者の退院支援を担う。
📚 混同しやすいので注意
精神保健福祉の分野は、誰が・どこで・何をするかがまぎらわしい。職種は「任命する人」と「働く場所」、入院形態は「同意する人」と「指定医の人数」で分けて覚えよう。 精神保健福祉センターは都道府県・指定都市に設置され、知識の普及・調査研究、複雑困難な相談指導、精神医療審査会の事務、自立支援医療(精神通院医療)と精神障害者保健福祉手帳の判定を行う。
- 退院後生活環境相談員は医療保護入院者について、入院後7日以内に精神科病院が選任する。
- ピアサポーターは同じ経験をもつ当事者による支援者、ゲートキーパーは自殺の危険を示すサインに気づき支援につなぐ役割の総称で、いずれも行政の任命職ではない。
| 形態 | 同意 | 精神保健指定医の診察 |
|---|---|---|
| 任意入院 | 本人の同意 | 不要(退院制限を行う場合は必要) |
| 医療保護入院 | 家族等の同意(本人の同意は得られない。家族等がいないとき、または家族等が同意も不同意も示さないときは市町村長の同意) | 指定医1名 |
| 措置入院 | 都道府県知事の措置(自傷他害のおそれ) | 指定医2名の診察結果が一致 |
| 緊急措置入院 | 都道府県知事の措置 | 指定医1名。72時間以内 |
| 応急入院 | 同意を得られないが急を要する | 指定医1名。72時間以内 |
参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について