第110回 看護師国家試験 午前 問47 解説
📝 問題
加齢の影響を受けにくく、高齢になっても維持されやすい認知機能はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 加齢の影響を受けにくいのは結晶性知能。
知能は結晶性知能と流動性知能に大別される。結晶性知能は、これまでの経験・学習・教育を通じて蓄積された知識や言語能力、判断力などを指し、加齢の影響を受けにくく高齢になっても比較的維持されやすい。
他の選択肢は加齢の影響を受けやすい。流動性知能は新しい情報を処理し、素早く問題を解決する能力(計算の速さ・推論など)で、加齢とともに低下しやすい。 感覚記憶や短期記憶も加齢とともに保ちにくくなり、維持されやすい機能とはいえない。
感覚記憶とは
見たり聞いたりした情報が、意識に上る前に1秒ほどだけ保たれるしくみ。ほとんどはそのまま消えていく。
短期記憶とは
いま聞いた電話番号を覚えているような、数十秒だけ保つ記憶。繰り返すことで長期記憶へ移る。
- 1
感覚記憶不正解
感覚記憶は加齢の影響を受けやすく、維持されやすい機能とはいえない。
- 2
短期記憶不正解
短期記憶は加齢とともに低下しやすい機能である。
- 3
結晶性知能正解
結晶性知能は経験による知識・言語能力で、加齢の影響を受けにくい。
- 4
流動性知能不正解
流動性知能は情報処理の速さなどで、加齢とともに低下しやすい。
📚 ここも一緒におさえておこう
加齢による変化は「保たれるもの」と「衰えるもの」に分けて問われる。衰える側だけでなく、保たれる側を覚えておくと選びやすい。 結晶性知能は経験に基づく知識・語彙・判断力で高齢まで保たれ、流動性知能は新しい場面への適応や情報処理の速さで成人期以降に低下する。
- 記憶では、エピソード記憶や作動(作業)記憶が加齢の影響を受けやすい。
- 意味記憶や手続き記憶(体で覚えた技能)は比較的保たれる。
- 高齢者への説明はゆっくり・短く・繰り返しを心がけ、文字や図など視覚情報を併用すると理解が得られやすい。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について