第110回 看護師国家試験 午前 問36 解説
📝 問題
患者の状態と寝衣の特徴との組合せで適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 意識障害のある患者には前開きの寝衣が適切。
意識障害があり自力で体位を保てない患者では、着脱時に無理な体位変換を避け、臥床したまま容易に着替えられる前開きの寝衣が適している。 前開きなら背部を大きく持ち上げずに介助でき、観察や処置もしやすい。
他の選択肢は患者の状態と合っていない。発熱がある患者には吸湿性・通気性のよい素材が適しており、防水性のものは発汗を妨げるため不適切である。 開腹術直後の患者は創部やドレーンの管理のため、上下がつながった全身を覆う和式寝衣(前開き)のほうが着脱しやすく、上着とズボンに分かれたものはドレーン類の取り回しに不便である。 下肢に浮腫がある患者では、足首を締めつけるゴム入りは循環を妨げ浮腫を悪化させるため避ける。
患者の状態に応じた寝衣の選択は、快適性と観察・処置のしやすさ、循環への配慮の観点から判断する。
和式寝衣とは
背中で重ならず、前で合わせてひもで留める病衣。寝たまま左右へ開けるので、処置や観察のときに体を起こさずにすむ。
浮腫とは
皮下の組織に水分がたまってむくんだ状態。指で押すとへこみが残り、締めつけがあると悪化しやすい。
- 1
発熱がある患者 ── 防水性のもの不正解
発熱時は発汗を妨げない吸湿・通気性のよい素材が適し、防水性は不適切である。
- 2
開腹術直後の患者 ── 上着とズボンに分かれたもの不正解
開腹術直後はドレーン管理のため前開き全身型が適し、上下分離型は不便である。
- 3
意識障害のある患者 ── 前開きのもの正解
臥床したまま着脱でき、観察・処置もしやすい前開きが意識障害患者に適する。
- 4
下肢に浮腫のある患者 ── 足首にゴムが入っているもの不正解
足首を締めつけるゴムは下肢の循環を妨げ、浮腫を悪化させるため避ける。
📚 国試でよく狙われるところ
更衣は、寝衣の選び方だけでなく、実際に着せる・脱がせるときの決まりごとまで問われる。麻痺やルートがあるときの順番から押さえよう。 寝衣は、吸湿性・通気性がよいこと、着脱がしやすいこと、処置や観察の妨げにならないことを基準に選ぶ。
- 片麻痺のある患者の更衣は脱健着患(脱ぐときは健側から、着るときは患側から)。
- 輸液中の更衣は輸液ボトルを袖に通す順序に注意し、原則としてルートを外さずに行う。
- 和式寝衣は左が上(右前)になるように合わせる。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について