第110回 看護師国家試験 午前 問119 解説

状況設定看護の統合と実践✔ 監修済み

📝 問題

A 市に住むB さん(40歳、経産婦)は、妊娠20週0日である。夫(42歳、会社員)、長女のC ちゃん(5歳)の3人暮らし。大規模災害が発生し、夫は倒壊した家屋に挟まれ入院となった。被災当日にB さんはC ちゃんとともに避難所に入所した。被災後1日、B さんは巡回してきた看護師に「今妊娠20週目ですが、おなかが張ることがあります」と話した。 看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 妊娠20週で腹部緊満を訴える妊婦では、切迫流産・早産を念頭に性器出血の有無を優先確認する。

被災という強いストレス下にある妊娠20週のBさんが腹部の張りを訴えており、切迫流産・切迫早産の徴候が疑われる。 この時期に子宮収縮(腹部緊満)に加えて性器出血がみられれば、流産・早産の切迫度が高いことを示す。まず性器出血の有無を確認する。

他の選択肢は避難生活ではいずれも大切な観察項目だが、腹部の張りを訴えている今、緊急度が最も高いのは流早産に直結する性器出血の確認である。

切迫流産とは

流産になりかけている状態。妊娠はまだ続いており、安静にして経過をみることが多い。

腹部緊満とは

腹部が硬く張ること。子宮の筋肉が収縮しているサインで、頻回に起こるときは受診の目安になる。

  • 1

    下肢の浮腫の程度不正解

    下肢浮腫も重要だが、腹部緊満の訴えに対する優先度は出血確認に劣る。

  • 2

    食事の摂取状況不正解

    避難所で食事は重要だが、切迫流早産徴候の確認が優先される。

  • 3

    性器出血の有無正解

    腹部緊満に性器出血が伴えば切迫流早産の切迫度が高く、優先して確認する。

  • 4

    排泄状況不正解

    排泄状況も配慮すべきだが、流早産に直結する出血確認が最優先。

📚 国試でよく狙われるところ

流産と早産は、妊娠週数を入れ替えて問われる。22週を境に呼び名が変わる、と覚えよう。 妊娠22週未満の妊娠の中断を流産、22週0日〜36週6日の分娩を早産という。 妊娠20週で子宮収縮や性器出血がある場合は切迫流産として扱う。

  • 切迫流産・切迫早産の徴候=規則的または頻回の子宮収縮(腹部緊満)、性器出血、破水感(水様帯下)、下腹部痛・腰痛
  • 対応=安静と保温、脱水を避けて水分をとる、医療機関への搬送。避難所では横になれる場所とプライバシーを確保する
  • 災害時の妊婦は要配慮者にあたり、母子健康手帳で妊娠週数・既往・健診結果を確認する
  • 避難生活では脱水・便秘・感染・深部静脈血栓症が子宮収縮を誘発しうるため、水分摂取と適度な下肢の運動を促す

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第110回の問題一覧を見る