第110回 看護師国家試験 午前 問114 解説

状況設定精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

A さん(19歳、男性)は注意欠如・多動性障害〈ADHD〉と診断された。A さんは予約した受診日を忘れてしまい、受診できないことが度々あった。A さんは、これまで忘れないための工夫を何もしてこなかったと外来看護師に話した。 A さんへの対応で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ その場で次回の受診日を予定表に書き込む具体的な工夫を提案する。

注意欠如・多動症(ADHD〈エーディーエイチディー〉。かつては注意欠如・多動性障害とよばれた)のある人への支援は、抽象的な内省を促すよりも、具体的で実行できる対処スキルを一緒に取り入れることが有効である。 予約を忘れがちで、これまで工夫をしてこなかったAさんには、「今予約した次回の受診日をこの場で予定表に書き込みましょう」と、その場で確実にできる外的な記憶補助(メモ・予定表の活用)を提案することが最も適切である。

他の選択肢は、家族に予定管理を委ねて本人が対処する力を育てられないか、内省を促すだけで具体的な行動に結び付きにくい。 実行できる工夫をその場で共有することが行動変容を支える。

行動変容とは

生活のしかたや習慣を実際に変えること。知識を伝えるだけでは起こりにくく、すぐにできる小さな一歩から始めると続きやすい。

  • 1

    「ご家族に予定を管理してもらいましょう」不正解

    家族に管理を委ねるのは本人の自立や対処力の獲得を妨げる。

  • 2

    「忘れてしまった理由を考えてみましょう」不正解

    理由の内省は抽象的で、不注意特性のあるAさんの行動化につながりにくい。

  • 3

    「予定を忘れたことで生じる不利益を整理してみましょう」不正解

    不利益の整理も内省中心で、具体的な忘れ防止策には直結しない。

  • 4

    「今予約した次回の受診日をこの場で予定表に書き込みましょう」正解

    その場で予定表に記入する具体的・実行可能な工夫が最も有効。

📚 国試でよく狙われるところ

ADHDのある人への対応は、どの声かけが適切かを選ばせる形で問われる。本人がその場で実行できるものを選ぶ、と覚えよう。 ADHDのある人への支援は、意志や努力に頼らない仕組みづくりが基本である。忘れることを前提に、その場でできる具体的な工夫を一緒に決める。

  • 予定はその場で書く・登録する(手帳やスマートフォンのカレンダーとアラーム)
  • 物の定位置を決める。鍵・財布・診察券は一つのポーチにまとめる
  • 作業は小分けにし、優先順位をつけて一度に一つ行う。タイマーで時間を区切る
  • リマインダー(受診前日の連絡、家族や職場の協力)を活用する。ただし本人の自立を損なわない範囲で
  • できたことを確認して強化する。失敗を責める指導は自己評価を下げ逆効果になる

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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