第109回 看護師国家試験 午後 問14 解説
📝 問題
尿ケトン体が陽性になる疾患はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 尿ケトン体が陽性になる代表的疾患は糖尿病である。
糖尿病では、インスリン作用不足により細胞が糖を利用できず、代わりに脂肪が分解されてケトン体が産生される。 このケトン体が血中・尿中に増加するため、尿ケトン体が陽性となる。
特に1型糖尿病やインスリン欠乏が高度な場合、ケトン体が過剰に蓄積して糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)を起こす。 DKAは高血糖・アシドーシス・脱水を伴う緊急事態である。
なおケトン体は飢餓や絶食時にも増加する。 他の選択肢(肝硬変・尿路感染症・ネフローゼ症候群)は尿ケトン体陽性の典型疾患ではない。 国試では「尿ケトン体が陽性=糖尿病」の組合せがそのまま問われる。
ケトン体とは
糖をエネルギーとして使えないときに、脂肪を分解して作られる代わりの燃料。酸性なので、増えすぎると血液が酸性に傾く。
- 1
肝硬変不正解
肝硬変では黄疸や腹水、血液検査でのアルブミン低下がみられる。尿ケトン体は特徴的な所見ではない。
- 2
糖尿病正解
糖尿病ではインスリン不足により脂肪分解が進みケトン体が増加する。
- 3
尿路感染症不正解
尿路感染症では尿中に細菌や白血球がみられるが、ケトン体陽性は特徴ではない。
- 4
ネフローゼ症候群不正解
ネフローゼ症候群では蛋白尿が特徴で、ケトン体陽性は典型ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
糖が使えないと体は脂肪を燃やし、その代謝産物であるケトン体が増える。 飢餓・絶食・激しい嘔吐でも尿ケトン体は陽性となる。
- 糖尿病の診断では、空腹時血糖126mg/dL以上、HbA1c6.5%以上、随時血糖200mg/dL以上が糖尿病型の基準になる
- 発熱や下痢で食事がとれない日(シックデイ)でもインスリンを自己中断しないことが原則。水分と糖質を補給し、早めに受診する
| 項目 | ケトアシドーシス(DKA) | 高浸透圧高血糖状態(HHS) |
|---|---|---|
| 多い病型 | 1型(インスリンの絶対的欠乏) | 2型(高齢者に多い) |
| ケトン体 | 著明に増加 | 軽度 |
| 血糖 | 著明な高血糖 | きわめて高値 |
| 特徴的所見 | Kussmaul(クスマウル)大呼吸、アセトン臭、腹痛 | 高度の脱水、意識障害 |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について