第109回 看護師国家試験 午後 問104 解説
📝 問題
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。 A ちゃん(7歳、女児、小学1年生)は睡眠時無呼吸のため扁桃腺摘出術を受けた。手術後1日。A ちゃんはベッド上で、静かにぬり絵をして遊んでいたが、昼食時には黙って涙ぐみ、食事や水分も摂ろうとしない。付き添っている母親は「痛くて食べられないようです」と看護師に言った。A ちゃんのバイタルサインは、体温37.6 ℃、血圧100/60 mmHg。 看護師が A ちゃんの痛みを把握するのに最も適切な方法はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 7歳児の痛みは、痛みスケールを使って本人に示してもらうのが最も適切である。
痛みは主観的な体験で、どれくらい痛いかは本人にしか分からない。 学童期の子どもには、フェイススケール(表情の絵から選ぶ)などの痛みスケールを渡し、今の痛みに近いものを指してもらうと、言葉にしなくても程度が伝わる。 涙ぐんで話そうとしないAちゃんでも、指さしなら答えられる。
他の選択肢は、本人の評価に届かない。 表情の観察も母親からの聴取も、周りから見た推測にとどまる。 「痛みの程度を話してもらう」も本人の評価だが、泣いて言葉が出ない今は答えを引き出しにくい。
- 1
A ちゃんの表情を観察する。不正解
表情観察は補助的情報にとどまり、痛みの程度の正確な把握には不十分。
- 2
母親に A ちゃんの痛みの様子を聞く。不正解
母親からの聴取は間接的で、本人の主観的評価に代わるものではない。
- 3
A ちゃんに痛みの程度を話してもらう。不正解
本人評価だが、涙ぐみ話そうとしない状況では言葉での表現は困難。
- 4
A ちゃんに痛みスケールを使って示してもらう。正解
痛みスケールなら学童が痛みを視覚的に自己表現でき、最も適切に把握できる。
📚 関連知識
| スケール | 内容 | 対象の目安 |
|---|---|---|
| フェイススケール | 表情の絵から今の痛みに近いものを選ぶ | 3歳ごろ〜(学童にも有用) |
| NRS(数値評価スケール) | 痛みを0〜10の数字で表す | 学童後期〜成人 |
| VAS(視覚的アナログスケール) | 10cmの線上に今の痛みの位置を印す | 成人 |
| FLACC | 表情・下肢・活動・啼泣・慰めやすさを観察して点数化する | 言葉で表現できない乳幼児 |
痛みは主観的な体験であり、可能な限り本人による評価(自己申告)を優先する。観察による評価はそれを補うもの。
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について