第109回 看護師国家試験 午前 問110 解説
📝 問題
在胎39週4日、正常分娩で出生した児。生後1日。児の状態は、体温37.0 ℃、呼吸数48/分、心拍数120/分、呼吸音は異常なし。体重2,850 g。出生後から現在までの状態は安定していた。母親も分娩時の疲労から回復し、産後の状態も安定しているため、母児同室を開始することとなった。この施設では、自律授乳を行っている。 母親へのオリエンテーションの内容で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 母児同室では「新生児室へ行く時はコットに寝かせて移動」と指導する。
母児同室では、母親が児を抱いて移動するときの転倒・転落の予防が重要になる。 産後の母親は疲労や体調の変動があり、抱っこして歩いている途中で転倒すると母児ともに危険である。 新生児室などへ移動するときは、児をコット(新生児用ベッド)に寝かせて運ぶよう伝える。
他の3つは母児の安全や施設の方針に合わない。沐浴のときにネームバンドを外すと、児を確かめるすべがなくなる。 体温を1時間おきに測れば、母児とも眠る時間がなくなる。 自律授乳の施設では、時計ではなく児の欲しがるサインに合わせて飲ませる。
自律授乳とは
時間を決めず、児が欲しがるサインに合わせて授乳する方法。母乳の分泌が確立しやすくなる。
- 1
「新生児室へ行く時は、赤ちゃんをコットに寝かせて移動してください」正解
産後の母親が抱っこ移動中に転倒する危険を避けるため、コットで移動する指導は安全上適切。
- 2
「沐浴の時は、赤ちゃんのネームバンドを外しましょう」不正解
ネームバンドは児の取り違え防止のため沐浴時も外してはならない。
- 3
「赤ちゃんの体温は1時間おきに測ってください」不正解
1時間おきの体温測定は頻回すぎ、安定した児には不要で母児の休息を妨げる。
- 4
「授乳は3時間ごとにしてください」不正解
自律授乳を行う施設で3時間ごとと時間を固定する指導は自律授乳の原則に反する。
📚 ここも一緒におさえておこう
母児同室は、愛着形成・授乳の確立・育児技術の獲得を促す。 一方で産後の母親は疲労や貧血、めまいがあり、抱っこしたままの移動は母児ともに危険。 オリエンテーションでは、育児の方法と安全・休息の確保を対にして伝える。
- 自律授乳は時間で区切らず、児が欲しがるサイン(泣く、口をもぐもぐさせる、手を口へ持っていく)に応じて授乳する方法で、母乳分泌の確立にも有効。
- 母乳分泌は吸啜刺激により、プロラクチン(乳汁産生)とオキシトシン(射乳・子宮収縮)が分泌されて進む。
- 児の取り違えを防ぐため、ネームバンドは沐浴時も外さない。
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防として、仰向け寝・妊娠中と周囲の禁煙・できるだけ母乳が推奨される。
- 母親の疲労が強いときは無理をさせず、児を預かって休息を確保することも母児同室の一部。
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について