第108回 看護師国家試験 午後 問14 解説
📝 問題
浮腫の原因となるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 浮腫の原因となるのはリンパ還流の不全である。
浮腫は間質液が過剰に貯留した状態で、その成立には毛細血管内圧の上昇、膠質浸透圧(血漿タンパク)の低下、毛細血管透過性の亢進、リンパ還流の障害などが関与する。 リンパ還流が不全になると、間質から回収されるべき水分・タンパクが貯留し、浮腫(リンパ浮腫)を生じる。
他の3つは、いずれも浮腫を軽減する方向である。 膠質浸透圧が上がれば水は血管内にとどまり、毛細血管内圧が下がれば濾過が減る。 毛細血管透過性が下がれば、水分やタンパクの漏れも減る。 水が血管から出る力と戻る力のつり合い(スターリングの法則)で向きを判断する。
膠質浸透圧とは
血液中のアルブミンなどのタンパク質が、水を血管の中に引きとめる力。低下すると水が間質へ漏れて浮腫が起こる。
- 1
膠質浸透圧の上昇不正解
膠質浸透圧の上昇はむしろ水分を血管内に保ち、浮腫を軽減する方向である。
- 2
リンパ還流の不全正解
リンパ還流の不全は間質液の回収障害を招き、浮腫の原因となる。
- 3
毛細血管内圧の低下不正解
毛細血管内圧の低下は濾過を減らし、浮腫を軽減する方向である。
- 4
毛細血管透過性の低下不正解
毛細血管透過性の低下は水分・タンパクの漏出を減らし、浮腫を軽減する。
📚 関連知識
| 機序 | 代表的な原因 |
|---|---|
| 毛細血管内圧の上昇 | 心不全、静脈血栓症、下肢静脈瘤 |
| 膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症) | ネフローゼ症候群、肝硬変、低栄養 |
| 毛細血管透過性の亢進 | 炎症、アレルギー、熱傷、敗血症 |
| リンパ還流の障害 | リンパ節郭清後、放射線治療後、悪性腫瘍によるリンパ管閉塞 |
全身性か局所性か、圧痕を残すかどうかも観察のポイント。
参考: 標準病理学
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について