第108回 看護師国家試験 午前 問66 解説
📝 問題
入院患者のせん妄に対する予防的介入で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ せん妄の予防では、日中に離床を促して生活リズムを整えることが有効である。
せん妄の予防では、見当識を保つことと、生活リズムを昼夜のとおりに戻すことが柱になる。 日中はできるだけ離床を促して体を動かし、夜にまとまった睡眠がとれるようにする。
他の3つは、いずれもせん妄を起こしやすくする。 昼間に部屋を薄暗くすると概日リズムが乱れるので、日中は明るく、夜間は暗くする。 家族や知人の面会は見当識と安心感を支えるので、制限しない。 夕方の睡眠は夜の眠りを浅くするため、勧めない。
概日リズムとは
からだに備わったおよそ1日周期のリズム。朝の光と日中の活動で整い、乱れると昼と夜の眠りが入れ替わる。
- 1
可能な限り離床を促す。正解
日中に離床を促すと活動量と生活リズムが保たれ、せん妄の予防に有効である。
- 2
昼間は部屋を薄暗くする。不正解
昼間に部屋を薄暗くすると概日リズムが乱れ、かえってせん妄を助長する。
- 3
家族や知人の面会は必要最低限にする。不正解
面会は見当識と安心感を支えるため、必要最低限に減らさない。
- 4
夕方に短時間の睡眠をとることを勧める。不正解
夕方の睡眠は夜間睡眠を妨げせん妄を助長するため、勧めない。
📚 混同しやすいので注意
せん妄は意識障害を土台とし、急激に発症して日内変動する(夜間に悪化しやすい)。 ゆっくり進む認知症とは、発症の速さと日内変動で見分けよう。
| 因子 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| 準備因子 | もともと持っている状態 | 高齢、認知症、脳血管障害の既往、アルコール多飲 |
| 直接因子 | 単独でもせん妄を起こしうる身体的原因 | 感染、脱水、電解質異常、低酸素、手術、薬剤(ベンゾジアゼピン系、抗コリン薬、オピオイド) |
| 誘発因子 | 発症を後押しする環境・心理要因 | 入院による環境変化、身体拘束、不眠、疼痛、視力・聴力の低下、感覚遮断 |
非薬物的な予防が第一。直接因子を取り除き、誘発因子を減らす環境調整を行う。
参考: せん妄の予防・ケアに関する標準的看護学教科書
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について