第108回 看護師国家試験 午前 問45 解説

一般看護の統合と実践✔ 監修済み

📝 問題

救急外来を受診した成人患者で、治療の緊急度が最も高いのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 約2時間前に始まった右上下肢の麻痺とろれつの回りにくさは急性期の脳卒中を強く疑う所見で、治療の緊急度が最も高い。

片側の運動麻痺と構音障害(ろれつが回らない)が急に現れたときは、脳梗塞や脳出血を強く疑う。 脳梗塞にはrt-PA静注療法のように使える時間が決まっている治療があり、発症からの経過時間が予後を大きく左右する。そのため最優先で対応する。

他の選択肢も対応は必要だが、生命への切迫度は相対的に低い。 ペットを亡くした悲嘆に伴う不眠と食欲不振、プールでの日焼けによる発赤、風邪薬を通常の2倍量服用したことは、いずれも脳卒中ほどの時間的な切迫はない。

「FAST(顔の麻痺・上肢の麻痺・言葉の障害・発症時刻)」を思い出すと、脳卒中を疑う所見をすばやく拾える。

rt-PA〈アールティーピーエー〉とは

血のかたまり(血栓)を溶かす薬。脳梗塞では、発症からの時間が限られた範囲でなければ使えない。

  • 1

    2時間ほど前から右上下肢に力が入らず、ろれつが回らない。正解

    片麻痺と構音障害が急に現れたときは脳卒中を疑い、治療に時間の制約があるため緊急度が最も高い。

  • 2

    3日前にペットの葬儀が終わり、食欲がなく、夜眠れない。不正解

    悲嘆に伴う食欲不振・不眠は支援を要するが、生命への切迫度は相対的に低く緊急度は最も高くない。

  • 3

    プールでの日焼けによって背部全体が発赤している。不正解

    日焼けによる背部の発赤は緊急度が低く、最優先ではない。

  • 4

    市販の風邪薬を通常の2倍量服用した。不正解

    風邪薬の通常2倍量服用は観察を要するが、直ちに生命を脅かす切迫度は相対的に低く、脳卒中より優先度は下がる。

📚 国試でよく狙われるところ

緊急度の判断は、時間で治療の可否が変わるかどうかで順位が決まる。 急性期脳梗塞では、rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法は発症4.5時間以内、機械的血栓回収療法は原則発症6時間以内(画像で条件を満たせば最大24時間まで)が適応の目安とされる。 発症時刻(最終健常時刻)の確認が治療の選択を左右する。

  • FAST=Face(顔のゆがみ)、Arm(腕の脱力)、Speech(言葉の障害)、Time(発症時刻・受診を急ぐ)。
  • 発症時刻が不明な場合は、最後に正常であることが確認された時刻(最終健常時刻)を発症時刻として扱う。
  • 救急でのトリアージは気道・呼吸・循環・意識の異常を最優先とする。
  • 災害時のSTART法(スタート)では、赤(最優先治療群Ⅰ)・黄(待機的治療群Ⅱ)・緑(保留群Ⅲ)・黒(死亡群0)に区分する。

参考: 脳卒中治療ガイドライン(rt-PA静注療法の時間枠)/救急トリアージ(緊急度判定)

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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