第106回 看護師国家試験 午後 問85 解説
📝 問題
急性中耳炎で内服薬による治療を受けた5歳の男児および保護者に対して、治癒後に行う生活指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・5
💡 解説
✅ 急性中耳炎の治癒後は、鼻を片側ずつかむよう指導し、発熱したときは耳漏の有無を確かめてもらう。
子どもの急性中耳炎は、かぜをひいたときに鼻やのどの細菌・ウイルスが耳管を通って中耳へ入って起こる。5歳ごろまでの耳管は太く短く、水平に近い向きなので、鼻の奥のものが中耳へ届きやすい。
再発を防ぐ鍵は鼻のかみ方である。両方の鼻を同時に強くかむと圧が耳管へ逃げるので、片側ずつ、口を開けて静かにかむよう伝える。
再発は発熱で始まることが多い。中耳にたまった膿で鼓膜が破れると耳漏(耳だれ)が出るため、熱が出たときは耳の痛みと耳漏の有無を確かめてもらう。5歳では症状をうまく言葉にできないことがあり、保護者が気づけるようにしておく。
他の選択肢は中耳炎とつながらない。耳垢がたまるのは外耳道で、中耳とは場所が違う。鼓膜が破れていなければ入浴の水も中耳までは届かない。声の大きさも再発とは関わらず、治ったあとは年齢に応じた生活をそのまま続けてよい。
耳管とは
鼻の奥(上咽頭)と中耳をつなぐ細い管。中耳の空気圧を調整する通り道で、鼻をかんだときの圧もここを通って中耳へ伝わる。
- 1
片側ずつ鼻をかむ。正解
両方の鼻を同時に強くかむと、圧が耳管を通って中耳へ伝わる。片側ずつ、口を開けて静かにかむと中耳に負担がかからない。
- 2
耳垢は毎日除去する。不正解
耳垢は外耳道にできるもので、中耳炎とは場所が違う。自然に外へ出るため毎日取る必要はなく、綿棒で奥を触ると外耳道を傷つける。
- 3
入浴時は耳栓を使用する。不正解
鼓膜が保たれていれば、入浴で外耳道に水が入っても中耳までは届かない。ふだんの入浴で耳栓は要らない。
- 4
大声を出させないようにする。不正解
声を出すことと中耳炎の再発は関係しない。治癒後は年齢に応じた遊びや生活をそのまま続けてよい。
- 5
発熱時は耳漏の有無を確認する。正解
急性中耳炎の再発は発熱で始まることが多く、鼓膜が破れると耳漏が出る。熱が出たときは耳の痛みと耳漏を確かめる。
📚 ここも一緒におさえておこう
小児の急性中耳炎は、なりやすい理由(耳管の形)と、そのあとに残る滲出性中耳炎まで続けて問われる。耳の中で何が起きているかを順に追って覚えよう。
- 急性中耳炎のあと、中耳に液がたまったまま残るのが滲出性中耳炎である。痛みや熱がないぶん気づかれにくい。
- 滲出性中耳炎では聞こえが悪くなり、言葉の発達の遅れやテレビの音量、返事の少なさで気づかれることがある。
- 肺炎球菌とインフルエンザ菌b型〈Hib〉の予防接種を受けると、これらの菌による中耳炎が減る。
参考: 小児看護学(急性中耳炎の看護)/耳鼻咽喉科学(中耳炎)
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について