第106回 看護師国家試験 午前 問82 解説
📝 問題
潰瘍性大腸炎の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・4
💡 解説
✅ 潰瘍性大腸炎は直腸に好発し、経過が長くなると大腸癌の危険因子になる。
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる原因不明の炎症性疾患で、直腸から連続して口側の結腸へ広がる。主な症状は粘血便としぶり腹である。 炎症が長く続くと粘膜が変化し、大腸癌が起こりやすくなる。発症から7〜8年たった広範囲の型では、症状がなくても定期的に大腸内視鏡で確かめる。
他の選択肢はクローン病や別の病気の特徴である。潰瘍性大腸炎は家族内に多い傾向はあるものの、単一の遺伝子で受け継がれる病気ではない。縦に長い潰瘍と敷石像は、口から肛門までどこにでも飛び飛びに起こるクローン病の所見になる。大量の水様性下痢は感染性腸炎で目立つもので、潰瘍性大腸炎では血と粘液の混じった便が続く。
しぶり腹とは
便が出きらない感じが続き、何度もトイレに行きたくなる状態。直腸に炎症があるときに起こる。
- 1
遺伝性である。不正解
家族内で発症がみられることはあるが、単一の遺伝子で受け継がれる病気ではない。腸内細菌や免疫の異常など複数の要因が重なって起こる。
- 2
直腸に好発する。正解
炎症は直腸から始まり、そこから連続して口側の結腸へ広がる。広がる範囲で直腸炎型・左側大腸炎型・全大腸炎型に分ける。
- 3
縦走潰瘍が特徴である。不正解
縦走潰瘍はクローン病の所見である。潰瘍性大腸炎の粘膜は一面が赤くただれ、細かい潰瘍ができる。
- 4
大腸癌の危険因子である。正解
炎症が長く続いた大腸では癌が発生しやすくなる。範囲が広く経過が長いほど危険が高まるので、内視鏡で定期的に確かめる。
- 5
大量の水様性下痢が特徴である。不正解
特徴は粘血便で、1日の排便回数が増えて血液と粘液が混じる。水のような大量の下痢が続くのは感染性腸炎のほうである。
📚 混同しやすいので注意
潰瘍性大腸炎とクローン病は、特徴を入れ替えて問われる。まず「大腸だけか、口から肛門までか」で振り分け、そのうえで表を左右に見比べて覚えよう。
| 潰瘍性大腸炎 | クローン病 | |
|---|---|---|
| 起こる場所 | 大腸だけ | 口から肛門までどこでも(回腸末端に多い) |
| 広がり方 | 直腸から連続して広がる | 飛び飛びに起こる |
| 粘膜の所見 | 一面のびらんと浅い潰瘍 | 縦走潰瘍と敷石像 |
| 主な症状 | 粘血便・しぶり腹 | 腹痛・下痢・体重減少・痔瘻 |
| 好発年齢 | 20歳代(男女差は小さい) | 10歳代後半〜20歳代(男性に多い) |
参考: 難病情報センター「潰瘍性大腸炎」/系統看護学講座 成人看護学 消化器
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について