第106回 看護師国家試験 午前 問76 解説
📝 問題
人獣共通感染症で蚊が媒介するのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 蚊が媒介する人獣共通感染症は黄熱である。
黄熱は、サルなどの霊長類とヒトのあいだを蚊が行き来して広がる人獣共通感染症で、アフリカと中南米の熱帯地域で流行する。ネッタイシマカなどに刺されて感染し、高熱・黄疸・出血をきたす。 効く薬はなく、予防接種が最も確実な備えになる。流行地に入国するとき、接種証明書の提示を求められる国がある。
他の選択肢は、うつる道すじが違う。Q熱は家畜の排泄物などに含まれる菌を吸い込んで、狂犬病はイヌなどに咬まれて、オウム病は鳥の乾いた排泄物を吸い込んでうつる。重症熱性血小板減少症候群を運ぶのはマダニである。
人獣共通感染症とは
動物とヒトの両方にうつる病気のこと。ペット・家畜・野生動物から直接うつるものと、蚊やダニが運ぶものがある。
- 1
Q熱不正解
Q熱はコクシエラ・バーネッティという細菌による人獣共通感染症で、ウシ・ヒツジ・ヤギなどの排泄物や胎盤に含まれる菌を吸い込んでうつる。
- 2
黄熱正解
黄熱は黄熱ウイルスをもつ蚊に刺されて起こる。サルとヒトのあいだを蚊が行き来して広がる。
- 3
狂犬病不正解
狂犬病はイヌ・コウモリ・アライグマなどに咬まれ、唾液中のウイルスが傷口から入って起こる。発症するとほぼ助からない。
- 4
オウム病不正解
オウム病はオウム・インコ・ハトなどの乾いた排泄物を吸い込んで起こる。クラミジアの一種が原因である。
- 5
重症熱性血小板減少症候群〈SFTS〉不正解
重症熱性血小板減少症候群はマダニに咬まれて起こる。発症したネコやイヌから人にうつった例も報告されている。
📚 国試でよく狙われるところ
感染症は、病名と「何が運ぶか」を入れ替えて問われる。運び手ごとに束ねて覚えよう。
- 蚊が運ぶ=黄熱・デング熱・日本脳炎・マラリア
- ダニが運ぶ=重症熱性血小板減少症候群・日本紅斑熱・ツツガムシ病
- 動物に咬まれてうつる=狂犬病・猫ひっかき病
- 動物の排泄物を吸い込んでうつる=Q熱・オウム病
参考: 厚生労働省「動物由来感染症」/厚生労働省検疫所FORTH「黄熱」
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について