第106回 看護師国家試験 午前 問55 解説
📝 問題
高齢者の活動と休息のリズムの調整について最も適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 午前中に日光を浴びる機会をつくることが、活動と休息のリズムを整える。
体内時計は24時間よりわずかに長い周期で動いており、放っておくと毎日少しずつ後ろへずれていく。 これをリセットするのが朝の光である。 目から入った光が体内時計を合わせ直し、夜になると眠りを促すメラトニンが出るようになる。
高齢者は日中の活動量が減り、外へ出る機会も少なくなるため、この光の刺激が不足しやすい。 午前中に窓際で過ごす、散歩に出るといった機会をつくるだけで、夜の睡眠は深くなる。
厚生労働省の指針は、出題当時の「健康づくりのための睡眠指針2014」から「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に改められている。
メラトニンとは
夜になると脳から出て眠気を起こすホルモン。朝に光を浴びることが引き金になり、その日の夜に分泌が増える。
- 1
午前中に日光を浴びる機会をつくる。正解
起きてから午前中のうちに光を浴びると体内時計が合い、その日の夜に眠気が訪れる。散歩やベランダに出るなど、日課に組み込める形にすると続けやすい。
- 2
昼食後に入浴する。不正解
入浴でいったん上がった体温が下がるときに眠気が起こるため、入眠を助けるのは就寝前の入浴である。昼食のあとすぐは消化のために血流が必要で、体への負担も大きい。
- 3
昼寝をしない。不正解
高齢者では、午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をとると、夕方の眠気を防いで夜の睡眠が保たれる。避けたいのは夕方以降の長い昼寝である。
- 4
就寝前に水分を多く摂る。不正解
就寝前に多く飲むと夜間頻尿で目が覚め、トイレへ向かう途中の転倒も増える。水分は日中に分けてとり、脱水を防ぎながら夜のトイレを減らす。
📚 国試でよく狙われるところ
高齢者の睡眠は、「若いころと同じ眠り方を目指さない」ことが答えの軸になる。加齢で起こる変化を先に知っておこう。
- 加齢とともに深い睡眠が減り、中途覚醒と早朝覚醒が増える。眠りが浅くなること自体は異常ではない
- 厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、高齢者について寝床にいる時間が8時間以上にならないことを目安に示している
- 眠れないからと長く床にいるとかえって睡眠が浅くなる。眠くなってから床に就くようにする
参考: 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」/系統看護学講座 老年看護学
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について