第106回 看護師国家試験 午前 問105 解説

状況設定小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み103〜105の問いに答えよ。A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。現在、A君の母親は妊娠16週で順調に経過している。母親は「出産のときにAを預かってくれるところを探そうと思っています」と看護師に話した。父親は会社員で、毎日20時ころ帰宅する。A君の祖父母は遠方に住んでおり支援をすることができない。 母親に情報提供する社会資源で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 母親の出産のあいだの預け先として、レスパイトを目的とする入院を情報提供する。

A君は移動も排泄も清潔も介助が要り、家庭では母親がその大半を担っている。父親の帰りは遅く、祖父母の支援もない。 出産で母親が入院するあいだ、この介助を代わりに引き受けられる場が要る。医療的な管理と生活の介助をまとめて任せられ、家族が休むために短期間受け入れるレスパイトを目的とした入院が条件に合う。

他の選択肢は対象が違う。乳児院は乳児を養育する場で、2歳6か月のA君は対象から外れる。 病児保育は、病気で保育所に通えない子どもを一時的に預かる仕組みで、慢性の障害がある子の預かりとは目的が異なる。 情緒障害児を対象とする施設は心理的な問題を治療する場で、2017年4月から児童心理治療施設という名称になった。 ファミリーサポートセンターは地域の会員どうしの助け合いで、短時間の預かりが中心になる。

レスパイトとは

介護や育児を続ける家族が一時的に休むこと。そのために本人を短期間預かる入院やサービスをレスパイトケアという。

  • 1

    乳児院不正解

    乳児院は乳児を養育する児童福祉施設で、保護者の出産などによる短期の預かりも行うが、対象は主に乳児である。2歳6か月で全介助が必要なA君の預け先にはならない。

  • 2

    病児保育不正解

    病児保育は、病気やけがで保育所に通えない子どもを一時的に預かる仕組みである。A君は急な病気ではなく、対象が異なる。

  • 3

    情緒障害児短期入所施設不正解

    心理的な問題で生活に支障がある子どもを入所させ、治療と生活の支援を行う施設である。脳性麻痺の子どもを出産のあいだ預かる場ではない。

  • 4

    レスパイトを目的とする入院正解

    介護する家族が休むために、短期間入院して医療的な管理と生活の介助を受けられる。母親の出産のあいだの預け先として適している。

  • 5

    ファミリーサポートセンター不正解

    ファミリーサポートセンターは、地域の会員どうしが保育所の送迎や短時間の預かりを助け合う仕組みである。全介助が必要な子どもの宿泊は担えない。

📚 ここも一緒におさえておこう

障害のある子どもの家族への支援は、どの制度がどんな休みを用意するかで問われる。「家族が休むための預かり=レスパイト」と束ねて覚えよう。

  • 短期入所(ショートステイ)は障害者総合支援法のサービスで、家族の病気や休養のときに施設へ短期間泊まれる。医療的なケアが必要な子どもには医療型短期入所がある。
  • レスパイトを目的とする入院は、かかりつけの医療機関が受け入れる。人工呼吸器や経管栄養があっても対応できる。
  • 家族の負担は本人の状態だけでは測れない。きょうだいの世話や出産など家庭の事情も含めて、使える制度を早めに紹介する。

参考: 児童福祉法(児童心理治療施設)/障害者総合支援法 短期入所(ショートステイ)の概要

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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