第105回 看護師国家試験 午後 問56 解説
📝 問題
産後うつ病について正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 産後うつ病には、早く見つけるためのスクリーニング調査票がある。
産後うつ病は、産後数週から数か月のあいだに始まり、2週間以上続く抑うつである。気分の落ち込み、何にも興味がわかない、眠れない、自分を責めるといった症状が続き、育児や母子の関係にも影響する。 自分からは相談しにくいので、質問票を使って早く見つける仕組みが作られている。産後2週間と1か月の産婦健康診査では、エジンバラ産後うつ病質問票が広く使われている。 日本での発症頻度は約10%で、およそ10人に1人にあたる。
産後3〜10日ごろに一時的に涙もろくなるのはマタニティブルーズで、産後うつ病とは分けて考える。
エジンバラ産後うつ病質問票とは
気分について10項目の質問に答えてもらう自己記入式の質問票。日本語版では合計9点以上で産後うつ病の可能性を考える。
- 1
一過性に涙もろくなる。不正解
一過性に涙もろくなるのはマタニティブルーズである。産後3〜10日ごろに現れ、多くは2週間以内に自然におさまる。
- 2
スクリーニング調査票がある。正解
エジンバラ産後うつ病質問票がその代表で、産婦健康診査で使われている。点数が高ければ、医師や精神保健の専門職につなぐ。
- 3
日本における発症頻度は約40%である。不正解
日本での発症頻度は約10%で、10人に1人ほど。まれな病気ではないので、どの産婦にも起こりうるという前提で関わる。
- 4
産後10日ころまでに発症することが多い。不正解
産後10日ごろまでに現れるのはマタニティブルーズのほうである。産後うつ病は産後2〜3週以降から数か月のあいだに始まる。
📚 混同しやすいので注意
産後の心の不調は、マタニティブルーズ・産後うつ病・産褥精神病を入れ替えて問われる。始まる時期と続く長さで見分けよう。
| 状態 | 始まる時期 | 経過と対応 |
|---|---|---|
| マタニティブルーズ | 産後3〜10日ごろ | 一過性で、2週間以内に自然におさまる |
| 産後うつ病 | 産後2〜3週以降〜数か月 | 2週間以上続く。治療と生活の支援が要る |
| 産褥精神病 | 産後2週以内が多い | 幻覚や妄想が出る。まれだが緊急の対応が要る |
参考: 厚生労働省「産婦健康診査事業」関係資料/医療情報科学研究所編『病気がみえる 産科』
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について